7月に掲載されたThe Washington Postの記事によると、「ワーケーション」という現象が増加しています。

このように、仕事と遊びを組み合わせたハイブリッドな旅は、平日の良い点とリラックスできる休暇の良い点を両方楽しめることになっています。

「両方の良い面を兼ね備えている」という宣伝文句は常に魅力的ですが、もしそれが全くの嘘だったとしたら?

ワーケーションに潜む「罠」

「ワークケーション」とは、知らない都市にオフィスを構え、昼間はリモートワークをして、夜や週末は休暇の活動を楽しむことだと思われています。理論的には、時間を自由に使える点が貴重で、滞在を簡単に延長できます。

しかし、仕事中毒の人は(あるいは、仕事中毒になることを会社から期待されている人は)、時差を気にせずいつものスケジュールをこなすことになり、余暇の活動をする時間が想像以上に少なくなってしまいます。

一方、仕事の面では、家にいた時よりもこなせる仕事量が少なくなりがちです。

正直なところ、プールサイドで本を読みながらくつろぐほうが、その日3回目のZoomミーティングに参加するよりずっと楽しいからです。

台風の季節にわざわざ熱帯で過ごす休暇を計画して、屋内にこもって仕事をするようなものです。そうなると、旅の同行者はどんどん退屈して不機嫌になっていくはずです。

だからこそ、家族旅行を目的とした「ワーケーション」の宣伝を目にすると、とても困惑します。私に子どもはいませんが、「ワーケーション」は最悪のケースだと思います。

確かに、出張に家族を連れていけば、家族は新しい環境を探索する時間がたっぷりあるでしょう。ただし、あなた抜きでです。

あなたと一緒に出かけたいと思っているはずの子どもや配偶者にとっては残念なことですし、休暇中にフルタイムで仕事をしたいというあなたの計画を実現するために、配偶者は子どもの世話をフルタイムですることが当たり前になってしまうのです。

ワークケーションは社員でなく「会社の利益」に

これが「両方のいいとこ取り」の真逆に聞こえるようになってきたとしたら、それは働く人にとって実際に真逆だからです。

会社は「ワ―ケーション」が大好きです。あなたが休暇を取ると、会社は有給休暇を取らせることになり、あなたの仕事を誰にどのようにカバーさせるか考えなければなりません。

また、あなたが出張すると、会社は出張費を負担しなければなりません(少なくともそうすることになっています)。

「ワーケーション」を取ることは、どちらの点でも会社に逃げ道と宣伝の材料を与えることになります。

会社は、あなたの出張を「特典」として将来社員になる可能性がある人たちにアピールする一方で、既存の社員(特に平社員)に休暇を取りにくくさせることにもなります。

あなたの直属の部下は、Zoomであなたと顔をあわせて「上司が休暇中に働いているなら、自分もそうすべきかもしれない」と思うかもしれません(これは良くないことです)。

会社側から見たワーケーションの実態

当然のことながら、AirBnB、Landing(基本的にアパート転貸用のAirBnBで、CEOはThe Washington Postの記事に登場)、Blueground(事業内容はLandingtoと同じ、The Washington Postには登場しない)などの企業もこのトレンドを喜んでいます。

リモートワーカーを説得して数カ月間普段の生活の場を離れさせると、ホテル以外の宿泊施設への需要が高まるので、こうした企業の価値が上がり、プライベート・エクイティやベンチャーキャピタルからより多くの資金を確保することができます。

これが「ワ―ケーション」の実態です。

(Air BnBは昨年34億ドルの収益を上げましたが、それでも2020年4月にSixth Street PartnersとSilver Lake Partnersから文字通り10億ドルのプライベート・エクイティを獲得しているので、明らかにこの戦略は成功しています。)

最近、AmazonのCEOを退任したあのジェフ・ベゾスが所有するThe Washington Postに、休暇を取らないためのハウツーガイドが掲載されたのは、あまりにも皮肉です。

過酷な労働環境で有名なAmazonでは、従業員がクビになるのを恐れてトイレにも行けず瓶に用を足したり、仕事中に気を失ったり死亡する者さえ出ています。

これは、多くの点で「生活賃金」や「たまには仕事をしない時もある」といった考え方に対する約1世紀に及ぶ闘争の集大成とも言えます。

1938年に制定された連邦労働基準法(FLSA)では、最低賃金を7.25ドルに設定し、標準的な労働時間を週40時間に制限するなどしていました。

当然のことながら、企業はこの80年間、FLSA(およびそれを実現した労働組合)をうまく弱体化させ、最終的には12歳の子どもに18時間労働を復活させようとしてきました。

ジョン・D・ロックフェラーや金ピカ時代の銅王マーカス・デーリーを1日だけ生き返らせることができるとしたら、彼らはワーケーションについて説明された瞬間に嬉しさのあまり死んでしまうでしょう。

言わなくても従業員が休暇中に働いてくれて、しかも感謝までしてくれるなんて、まさに彼らが「すごい!」と喜ぶことなのです。

「ワーケーション」が適している人もいれば、望んでいる人もいて、そうした人たちは「デジタルノマド」と呼ばれています。意図的に長期的なライフスタイルの選択をしているのです。

大多数の労働者にはできないことであり、上司もそれをわかっています。

しかし、より良い休暇制度を提供するには費用がかかりますが、24時間365日働くというコンセプトが素敵に聞こえるように洗脳するのはタダです。

騙されてはいけません。一度しかない人生を「ワ―ケーション」に費やしてはいけません。

ワークスタイル・アフターコロナ 「働きたいように働ける」社会へ 1,540 Amazonで見る 1,540 楽天で見る !function(t,e){if(!t.getElementById(e)){var n=t.createElement("script");n.id=e,n.src="https://araklet.mediagene.co.jp/resource/araklet.js",t.body.appendChild(n)}}(document,"loadAraklet")

Source: The Washington Post, Airbnb, Craft, Gizmodo(1, 2), CNBC