近年の株高で、「○○会社の株を買ったら短期間で2倍になった」といった成功談をよく耳にするようになりました。

「あとに続きたい!」と思っても、初心者にとって個別株投資はハードルが高いもの。リサーチには労力が掛かり、見極めには専門知識が必要です。

そんなときは、プロが銘柄を選定してくれる「アクティブファンド」を選んでみるのはどうでしょう。

投資のプロではない社会人が、一社一社の財務諸表を読み解き、銘柄を把握する時間を取るのは難しいはず(もちろん投資の知識のある方は別です)。「アクティブファンド」ならば、プロに銘柄選びを任せてしまえます。

おすすめする根拠は、運用会社に勤務していたときに、運用担当者が企業のIR担当者と日々ディスカッションし、銘柄への理解を深めるだけではなく、景気を見通すために様々なことに精通しているのを目の当たりにしてきたから。

つまり自分で個別銘柄を研究するよりも、プロが目利きしてくれた「アクティブファンド」の中から探した方が効率的だと思うのです。

ただし、種類が豊富にあるため、自分の投資目的にあったファンドを見極めることが重要です。そこで今回は、初めて「アクティブファンド」を購入する人に向けて、選ぶ際のポイントをまとめてみました。

初心者向け「アクティブファンド」の選び方

Image: Shutterstock 1. 売買手数料、信託報酬が安い(信託報酬)

まず、購入時手数料や、信託報酬といった手数料を確認してみましょう。「手数料が安いから良い投資信託」と一概には言えませんが、同じような内容である場合、安さが一つの判断基準に。

中でも信託報酬は最もリターンに影響します。投資信託の運用や、運用報告書の作成・資産の保管などに使われており、保有期間中は毎日掛かります。投資信託の種類によって異なりますが、年0.0〜2.6%程度(税込)と大きなばらつきがあります(参照:わらしべ瓦版)。

例えば、日本株の代表的な指数であるTOPIX(東証株価指数)における、2000年3月末〜2020年3月末の配当込み平均リターンは約年率4.4%でした(参照:三井住友トラスト・アセットマネジメント)。

TOPIXと同じ運用成績の投資信託を購入した場合、信託報酬が年率2.6%であれば、4.4%-2.6%=1.8%が手元に残るリターン。かなりインパクトが大きいですよね。信託報酬が低い方が手元に残る利益が多くなるのです。

「アクティブファンド」は多くの場合、ファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが運用を行っており、調査費用などのコストが掛かっています。そのため、指数を上回るリターンを期待できる一方、信託報酬が高くなる傾向があります。

2. ベンチマークに勝っているか(勝率)

もちろんリターンは大きいに越したことはありません。真の実力を確かめるために、リターンはベンチマーク対比で確認しましょう。多く「アクティブファンド」では、特定の指数を上回る運用を目標にしており、この目標にしている指数をベンチマークと言います。

ざっくり感覚的にいうと、日本株の「アクティブファンド」購入時に確認するのは、「日経平均に連動するインデックスファンドに勝っている」かどうか。

投資信託のリターンだけ見てしまうと、単にマーケット全体の上昇によって好成績を残せたファンドと、マーケットは下がっていたものの、ファンドマネージャーの腕が良くて好成績を残せたファンドの区別がつかないからです。

半分以上の日本株「アクティブファンド」が、指標に負けているという調査結果があります(参照:S&P Global)。単純に考えると2本に1本が「インデックスファンド」に負けているのです。想像以上に厳しい数字ではないでしょうか。十分に見極める必要があります。

ベンチマークとなる指数は投資信託ごとに確認しましょう。多くの場合、目論見書や運用報告書に記載されています(参照:大和証券)。

3. 効率よくリスクをとれているか(シャープレシオ)

投資におけるリスクとは、「標準偏差」のこと。リターンの振れ幅を指します。

具体的には、平均リターン5%、リスク(標準偏差)10%であれば、リターンが68%の確率で、−5%から+15%の範囲に入ることを示しています。

リスクとリターンの関係をイメージしやすいように、野球のバッターに例えてみましょう。

ホームランを狙う構えと、バントを狙う構えは違います。どのフォームでバットを握るかで飛距離が変わるように、リスクが高ければ、高い利益を狙えます。

しかし、ホームランを狙えば、空振りの可能性が高まり、またバントが確実に得点につながるとも限りません。高いリスクを取っても、必ずしも高いリターンが約束されているわけではなく、手堅い戦略が安全とも言い切れません。

また、プレイヤーによって成績が違うように、同じリスクを取っても同じリターンになるとは限りません。そこで、投資信託を選ぶ際には、リスクの高低だけでなく、リスク効率を確認しましょう。

取ったリスクに対するリターンを確認できるのが「シャープレシオ(効率係数)」という指標です。

シャープレシオは、リスク÷超過リターン(リスクゼロでも得られるリターンを上回った超過収益)で計算され、この数値が高いほど効率よくリスクを取れたことを意味します(参照:大和アセットマネジメント)。

イメージとしては同じホームラン狙いでも、試合でホームランを連発する選手と、空振り三振ばかりの選手を見極めるということです。

シャープレシオを見るときは、同じ種類のファンド同士で比較してください。株式と債券のようにリスクが大きく異なるものを比較しても意味がありません。野球の例えに戻ると、ホームラン狙いの選手と、ヒットを着実に積み重ねるタイプの選手の打率を比べても仕方ないように、基準を合わせてみる必要があります。

また、期間が短いと投資信託の成績よりも相場の影響が大きく出てしまう可能性があるため、3年以上の長期で比較しましょう。

今回紹介した信託報酬や勝率、シャープレシオなどの数値は、インターネットで投資信託の名前を検索すると簡単に確認できます。投資信託会社各社のホームページや日本経済新聞のマーケット情報などが見やすいでしょう。

もちろん「アクティブファンド」を買えば、必ず儲かるわけではありません。元本割れの可能性があることを十分理解したうえで、余剰資金で運用することをおすすめします。

ぜひ、投資目的にあった「アクティブファンド」を見つけてください。

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Source: わらしべ瓦版,三井住友トラスト・アセットマネジメント,S&P Global,大和証券,大和アセットマネジメント,日経新聞