子どものころはピザが嫌いだったのですが、遅ればせながら大人になって好きになりました。
少し遠回りしすぎたかもしれないくらいで、今では家でつくるピザが大好物です。残り物を片付けたり、昼ご飯代を節約したりするのにピザを活用しています。
何年も色んなピザを試してきて、可能な限り最高の手づくりピザをつくる、間違いないコツがいくつか溜まっています。
風味豊かなピザ生地(クラスト)、バランスのいいトッピング、均一な焼き色。完璧なピザに仕上げるのに巨大な石窯は必要ありません。
ただし、いくつかのポイントは押さえておく必要があります。
1. 生地を発酵させる

食材が3つくらいしかない食事の場合、そのどれもが食卓に豊かな風味をもたらすようにしたいものです。
ピザ生地は地味かもしれませんが、味気ないわけではありません。
風味豊かなピザ生地にする一番確実な方法は、24〜72時間低温発酵させることです。美味しいサワードウのパンのように発酵の間に風味が増し、生地に特徴的な風味がつきます。
冷蔵庫で生地を発酵させる方法について、詳しくはこちらをご覧ください。この低温発酵の方法は、ふんわりもっちりとした風味豊かなピザ生地をつくる一番簡単な方法です。
2. ピザの耳に味付けをする
ピザの耳、クラストの縁の部分は一番残されやすいところです。
味のない歯型のついたピザの耳が、お皿に大量に残っているのを見ることほど悲しいものはありません。
しかし、ピザのおいしい部分はすべて真ん中にあるので、味気なく乾いたクラストが手付かずなままにされていても、誰も責めることはできません。それなら、クラストにもおいしいポイントをつくればいいのです。
クラストの外側の縁は、基本的に大きなパンの棒なので、今まで食べた一番おいしい棒状のパンを思い出してヒントをもらいましょう。
たとえば、クラストにオリーブオイルを塗ってみたり、塩を振ってみたり、合うスパイスを探してみたり。
ガーリックパウダー、ゴマ、ガラムマサラ、縁に薄っすらマヨネーズを塗るなど、ピザの耳に注目してもらうアイデアはこちらにもあります。ホットドッグみたいにソーセージを詰めるこの方法もいいかもしれません。
ただし、乾燥したハーブは高温のオーブンで焦げてしまうのでやめましょう。
3. 天板ではなくピザストーンやピザスチールを使う
ピザの広告で「石窯」や「薪窯」といった言葉を見かけるのには理由があります。湿度のない高温の窯でピザを焼くと、食感や風味が最高なのです。
手づくりピザに一番不可欠な道具は、ピザストーンやピザスチールです。72時間発酵させた生地を薄い金属の天板で焼くよりも、このどちらかを使うだけでかなり美味しくなります。
この2つは、かなりの高温に耐えられ、調理時間中もその温度を保つことができるので、ピザには(パンも)理想的なのです。どちらも水分を蒸発させ、ピザの底をカリッとこんがりさせます。
完全に好みの問題ですが、ピザストーンとピザスチールはそれぞれ特徴が違い、どちらかのほうが合う可能性があります。自分の好みに合うのはどちらか詳しく知りたい人はこちらをご覧ください。
私は両方とも使ったことがありますが、がっかりしたことは一度もありません。
4. しっかりと予熱をする
できるだけ薪の石窯に近い状態にするには、自宅のオーブンのピザストーンやピザスチール、鋳鉄のスキレットなどを十分な時間をかけてしっかりと温度を上げることです。
スキレットやピザストーンを使う場合、オーブンの予熱には少なくとも20分かけます。これらはスチールの天板よりも分厚くて密度の高い材質なので、温まるのに時間がかかります。
ゆっくりと時間をかけてオーブンが220度〜260度になったら、冷たいピザを入れたあとも、その温度を保ちます。
天板となる表面の温度が、オーブンのほかの部分と同じくらいきちんと熱くなっていれば、クラストの底はカリッと、上はふわっとふくらみます。
5. ピザピールを使う

風味豊かなピザ生地に上質なトッピングを乗せても、ピザをグシャッと崩さず安全にオーブンに出し入れできなければ、その日の夕食は残念なことになります。
野球選手がホウキの柄をバット代わりに使わないのと同じように、間違った道具ではピザをきちんとサーブできるはずがありません。ピザピールを使ってください。
ピザピールとは、おそらくピザ屋で店員さんが使っているのを見たことがあると思いますが、オーブンにピザをスライドさせながら出し入れするのに使う木製や金属製の道具です。
ピザピールというのはシンプルで、薄く、平らで、幅広い板状のものに取っ手が付いているだけです。
自分がつくるであろう一番大きなピザが入る幅のピザピールを買いましょう(ピザのサイズはいつでも小さくできますが、ピザピールは大きくできません)。
取っ手は、ピザピールを扱いやすくし、オーブンの熱から手を守ります。業務用の奥行きのあるオーブン向けの非常に長い取っ手のものもありますが、自宅のオーブンの場合、20〜30cmの短い取っ手のものを選びましょう。
木製や金属製など色々な素材のものがありますが、機能的には同じなので、好きなものを選んでください。できあがったピザをきちんとまな板の上に移動させてスライスすれば、ピザピールが長持ちします。
6. トッピングは控えめに
最高のピザというのはバランスです。ピザ生地の上に具を乗せすぎず、すべての具材の持ち味を出すというのは簡単そうに思えますが、自宅でピザをつくる時はそうはいきません。
まっさらな丸いピザ生地を前にすると、興奮して忘れてしまいがちです。気がついたら、4カップのマッシュルームと大量のベーコンが溢れて、ピザ生地が見えなくなっています。
一口毎にすべての具材が入るようにしたくて、トッピングに夢中になってしまうのはよくあることです。ですが悲しいかな、具を乗せすぎたピザ生地は残念なことになります。
まず、イーストで捏ねた生地は、重くなりすぎると膨らまなくなる可能性があります。
加えて大量のトッピング、特にソースが多いと水分が増え、生地がベチャッとすることがあります。最悪の場合、水分が多くて重いトッピングのせいで、オーブンに入れようとする時にピザ生地がピザピールにくっついて、破れてしまうこともあるのです。
一番いいのは、軽めにすることです。ソースは控えめに、トッピングは丁寧に、そしてピザの耳の味付けも忘れずに。驚くことに、このように小さなことに気をつけるだけで、完璧なバランスのピザができます。
7. 上質な材料を使う
外食するにしても、自宅でつくるにしても、ピザは楽しくてリーズナブルな食事です。
私は予算内で料理をするタイプですが、それは質の悪い材料で料理をするという意味ではありません。
最高のピザをつくるには、おいしい上質な材料を使った方がいいです。高温のオーブンで水分が蒸発し、風味や旨味がさらに凝縮されるからです。
コストが気になる時は、トッピングは控えめにするというのを思い出してください。
買った材料は、おそらくほかの食事にも使えるはずです。高級なソースなら、今夜のピザ、明日のパスタ、土曜日の朝食にも使えます。
8. コーンミールはたっぷりと

手作りピザに挑戦した最初の数回は、ピザ生地が破れて変形し、ピザストーンにチーズとソースが焦げついてしまいました。コーンミールが足りなかったせいです。
ピザをつくる時にこの材料を思いつく人は少ないかもしれませんが、もっとも大事な材料の1つです。
ザラザラしたコーンミールが、ベタッとしたピザ生地とピザピールの間に隙間をつくり、地面に撒いたビー玉と同じように、その上にあるものが滑りやすくなるという役割を果たし、ピザピールに乗せたピザが、熱いオーブンに滑り込むのを助けてくれます。
滑りやすくする目的で別の食材を使うこともできますが、コーンミールが一番よく使われています。
ピザ生地を伸ばす前に、ピザピールの上にコーンミールをたっぷりと広げます。好みの大きさにピザ生地を伸ばしたら、コーンミールを敷いたピザピールの上に置き、取っ手を掴んで水平にしっかりと揺り動かします。ピザ生地が楽に滑ればOKです。
滑らない場合は、ピザ生地をそっと持ち上げ(本当にベッタリとくっついている場合はスクレーパーなどを使って)、もっとコーンミールを足します。トッピングを乗せはじめてからも、時々揺すってピザピールにくっついていないことを確認しましょう。
9. 野菜や肉の下ごしらえをする
「自宅の手づくりピザ」と「お店で売れるレベルのピザ」を隔てているのは、下ごしらえしたトッピングを使うことだったりもします。これで、生焼けの肉を食べることもなくなります。
すべての具材に下ごしらえが必要なわけではありませんが(チーズなど)、スライスした野菜を乗せるのが好きな人は、生で乗せるとどうなるか考えてみましょう。
タマネギ、ピーマン、マッシュルームなど多くの野菜は、250度のオーブンの中では乾燥して干からびてしまいます。トマトやズッキーニのような水分の多い野菜は、ピザ生地をベチャッとさせることもあります。
水分の多い野菜は、ピザ生地を発酵させている間に油と塩でサッと炒めると余計な水分が出ますし、油でコーティングすることでほかの具材が乾燥するのを防ぎます。
一方、肉はオーブンの中で乾燥する心配はありませんが、ピザを焼いている間に水分や脂分が出てしまいます。ベーコンやソーセージは下茹でしておくと、ピザの油の量も調節できますし、分厚く切ってあっても完全に火を通すことができます。
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