世界で最も注目を浴びている企業のひとつであるApple(アップル)のトップ、ティム・クック氏。彼の意思決定は2つのシンプルなものによって支えられているそうです。それはスティーブ・ジョブズの理念に対する敬意と、ユーザーを第一とする考え方です。

Bloomberg Businessweekのインタビューのなかでクック氏は、彼とAppleが、より良い未来をつくるために守り続けている原則について語っています。

必ずしも一番手である必要はない

クック氏は、ユーザー体験の質に徹底的にこだわることがスティーブ・ジョブズの理念のひとつであり、Appleがかたくなに守り続けてきたものだと考えています。Appleの製品は画期的なものばかりですが、クック氏によると、どれもがその種の初めての製品ではない、とのこと。iPodは最初のMP3プレイヤーではなく、iPadも最初のタブレットではありません。

私たちは長期的な視点で投資を行っています。私たちは1番手になることを重要だとは思っていません。単純にそれが私たちのやり方ではないからです。私たちの仕事は最高のものをつくることであり、ユーザーの生活を本当に変えてしまうものを提供することです。

この考え方はHomePodにも及んでおり、先日のWWDCで発表されたこのスマートスピーカーは、AmazonのAlexaやGoogle Homeよりは遅れて登場したものの、349米ドル払うだけの価値は十分にある、最高の体験を提供するものだと、クック氏は胸を張ります。

重要なのは競争に勝つことではありません。重要なのは、Appleのユーザーにとって、どんな製品が生活の改善につながるかを考え抜くことなんです。

とはいえ、先進的であることは重要だ

たしかに、AppleはMP3プレイヤーやタブレットを最初につくった企業ではありませんが、それはシリコンバレーの巨大テック企業であるAppleが、集団の先頭にいないということを意味するわけでもありません。

Appleは最近、自動運転車に取り組んでいることを公表し、拡張現実がiOSの主要コンポーネントになることも明らかにしました。クック氏は、今後もさまざまな分野の成長を支援するという考えについて、詳細に語っています。たとえば、Appleのリソースを先進製造プロセスに集中させることで、クック氏はAppleと米国を後押ししようとしています。

同氏はBusinessweekに対して、米国でより多くの雇用を創出する責任を感じていたとし、先進的な製造業を支援する目的で10億ドルの基金を設立したと語りました。

Appleは多くの部品を国内で製造しています。そのことを見逃している人が大勢いるのは、最終的な組み立ての行程しか見ていないからです。

クック氏は製造プロセスの改善を支援することで、Apple(と米国)は、この分野の最前線に居続けることができる、とも言っています。なお、この基金から2億ドルを受け取った最初の企業は、ガラスメーカーのCorningです。

(すべての)消費者にフォーカスする

長い間、多くの企業にとってベストなオペレーティング・システムはWindowsでした。しかし、もはやそうではないとクック氏は考えているようです。その理由は、Appleが消費者に徹底的にフォーカスしているからだとのこと。多くの企業がモバイルとしてiOSを選びたがっている、iOSはユーザー互換性があり、消費者と直接つながることができるから、とクック氏は主張しています。

従業員の満足と生産性を重視しているのなら、従業員とその生産性にとってベストなものを与えるべきです。従業員に選択肢を与えれば、『iPhoneが欲しい』『Macが欲しい』と答えるでしょう。そのレベルにおいて、多くの企業に選んでもらえると私たちは信じています。

Image: Stephen Lam/Getty Images News/ゲッティ イメージズ

Tim Cook Credits Apple's Success to Two Basic Principles|Inc.

Source: Bloomberg Businessweek