Tesla( テスラモーターズ )とSpaceX( スペースX )で最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスク氏は、これまでにもさまざまな言葉で形容されてきました。野心的、大胆、口下手、楽観的などなど。でも、「慎重」というのはいかがでしょう?

実はこれ、IBMのスーパーコンピューター「Watson(ワトソン)」の分析によって新たに導き出されたマスク氏の性格です。Watsonの「Insights software」は、その人が書いたり話したりした言葉を分析し、特定の人格的特徴をスコア化するソフトウェアで、これを用いたところ、マスク氏は「慎重さ」で1.00満点中0.96点を獲得したとのこと。この数字はテック系CEOの中でもっとも高いスコアでした。

同製品のAboutページによると、Personality Insightsの目標は、より深いレベルで顧客を理解したいと望む企業を支援することで、「Personality Insightsは、クライアントの嗜好への精通や顧客満足度の向上、クライアントとの関係の強化などに役立つ」ともIBMは述べています。

今回、このプログラムを使ってテック業界の最高幹部たちを分析したのは、キャリアカウンセリングを手がけるスタートアップ企業のPaysaで、その結果はCNBCでも報じられています。Paysaは本やエッセイ、スピーチ、インタビューなどの記録から、各リーダーが口にした2,500語以上の言葉を集め、それらをWatsonに入力しました。

その結果はかなり意外なものです。自動運転車やロケットの打ち上げ、代替エネルギーなど、マスク氏が手がける冒険的事業は一見したところ、あまり慎重には思えません。同氏の大胆な目標(火星に移住しよう、など)や、それを実現するための往々にして野心的すぎる実行計画タイムラインも同様でしょう。

Paysaは、大きな犠牲につながりうるリスクを取ることなく、冒険心を持って新たな成功のチャンスを追い求めることは可能だと指摘しています。ですが、たとえそうであっても、赤字続きのSolarCityを26億ドルで買収し、Teslaと合併させる決断を下したマスク氏を慎重とみなすのは、やはり無理があるのではないでしょうか? 合併当時には、この決断をめぐってマスク氏は金融アナリストたちから酷評されています。

実際のマスク氏はかなり率直で、飾り気のない、口ごもった感じの話し方をします(それを口下手と呼ぶ人もいるかもしれません)。もしかしたらそれが、今回の結果をもたらした可能性もあります。

IBMのウェブサイトによると、言葉遣いを特定の人格的特徴と結びつける最近の諸研究を活用して、Personality Insightsは開発されたそうです。IBMは、人々のTwitterフィードからのテキストを、彼らの人格調査のスコアとともに入力することで、同システムの機械学習アルゴリズムを訓練しています。

Paysaはまた、どのテック系企業のリーダーが「もっとも積極的に主張する」(assertive)タイプなのかも分析しました。第1位はMicrosoftのサティア・ナデラCEOで、ビル・ゲイツ氏とマーク・ザッカーバーグ氏がそれに続きました。「もっとも想像力が豊か」と判定されたのは、ティム・クック氏、ジェフ・ベゾス氏、そしてOracleの共同創業者であるラリー・エリソン氏。The Entrepreneurの記事によると、「達成に向けて一番努力する」(achievement-striving)のはHPのメグ・ホイットマンCEO、「物事にもっとも妥協しない」のはザッカーバーグ氏でした。

なお、慎重さのカテゴリーでマスク氏の次に選ばれたのはCisco Systemsのチャック・ロビンスCEOで、ナデラ氏とエリソン氏がそれに続いています。

IBM Watson Studied CEO Personalities and Decided Elon Musk Has a Surprising Trait | Inc.com

Image: Jordan Strauss/Getty Images Entertainment/ゲッティ イメージズ

Source: IBM1, 2, Paysa, CNBC, The Entrepreneur,

Reference: The Guardian, CNN, reddit, FASTCOMPANY,