Inc.:池に小石を投げれば、中心で生じた波紋がどんどん大きく、外側に広がっていきます。組織のなかに小さな親切を投げ入れると、同じような現象が起きるという、心温まる最新の研究が明らかになりました。

小さな親切が大きな結果につながる

この幸せな真実を証明するために、心理学者のチームはスペイン、マドリードにあるコカコーラ工場の従業員たちから、幸福に関する研究という名目でボランティアを募りました。集められた被験者には、その日の気分と、その日にした寛容な行為を毎日書き留めるように指示が与えられました。

ここで、頭の良い研究者は1つのトリックを仕込みます。被験者の中から共犯者となる19人を選び、ひそかに「与える人」になってもらったのです。与える人は、被験者の半分に毎日、何気なく小さな親切を施すよう指示されました。被験者の残りの半分は、比較のためのコントロールグループであり、与える人からサンキューノートを手渡されたり、お茶をおごってもらったりなど、意図的な親切を受けることはありません。

1カ月後、毎日小さな親切を受けていた被験者と、いつもと同じように日々を過ごしていた被験者の間に、どのような違いが見られたのでしょうか?

親切な行為が見過ごされることはありませんでした。親切な行為を受けた人は、職場において向社会的行動が増え、調査の終わりには、コントロールグループに比べて向社会的行動が10倍も多く報告されました。さらに、親切を受けた人の職場における、どれくらい思い通りに行動ができているかを示す「自律感」も、コントールグループより高かったのです。また、研究が終了してから1カ月後、親切を受けていた被験者は、コントロールグループに比べて著しく高い幸福度を示していました。

と、The British Psychological SocietyのResearch Digestは報告しています。

親切の善循環を回す

要するに、小さな親切が多くの人たちを「ペイ・フォワード」するように仕向け、その結果、従業員たちの間で親切な行為が10倍に増えたということです。また、親切を受けた人は、その親切を直接相手に返す(昨日コーヒーをおごってもらったから、今日は私がおごるよ)だけでは終わりませんでした。親切をしてくれた相手以外の、周りの人たちにも親切な行いをしたのです。

これはとても強力な波紋で、幸福度と自律感が高まるのも不思議ではありません。

また、小さな親切は、親切をした側にも素晴らしい影響を与えることがわかりました。研究者によって選ばれ、密かに親切を施していた「与える人」たちも、幸福度、自律感、能力感が高まっていたのです。実際、彼らの幸福度は、親切を受けた人たちよりも一層高くなっていました。

できるかぎりの親切をするのに、人間的な優しさ以外の理由は必要ないはずですが、何か後押しがほしいと感じるなら、この研究結果が大いにその役割を果たしてくれるでしょう。

今、自分がした小さな親切が、周囲に大きな影響を及ぼすことを確信することができました。科学よ、ありがとう!

The Science of How Small Acts of Kindness End Up Having a Big Impact|Inc.

Image: Chinnapong/Shutterstock.com

Source: Research Digest