『呪怨』『輪廻』など数々のホラー映画を手がける清水崇監督の最新作『樹海村』が2月5日より公開中。緊急事態宣言中の公開という危機的状況から、配給会社「東映」(本社:東京都中央区)の関西支社が新たな企画を開始した。

同作は、前作『犬鳴村』に続く「恐怖村シリーズ」の第2弾。「SUICIDE FOREST(自殺の森)」として世界的に有名な富士の樹海を舞台に、「絶対に検索してはいけない」とインターネットで語り継がれる「コトリバコ」がもたらす恐怖を描く。

2020年2月に公開された前作『犬鳴村』は、110万人を動員し、興行収入14億円を売り上げるほどのヒット作に。ホラー映画は従来夜の動員が多く、『犬鳴村』がたたき出した記録の25%は20時以降に上映が終了する夜の回だったそう。

しかし、『樹海村』の封切りは緊急事態宣言の真っ只中で、宣言対象区内の映画館は20時までの時短営業を余儀なくされている。同社担当者は、「『犬鳴村』同様に夜の上映回をメインに動員したかった『樹海村』は大ピンチです」と、まさに危機的な状況を明かす。

そこで現状を打破すべく、「東映」関西支社がおこなったのが『#昼ホラ』企画。「『お昼にホラー、観てみない?』『ホラーは夜だけのものなんて誰が決めたの?』という2つのコピーを掲げ、より多くのお客さまに日中に観てもらうべく、『#昼ホラ』を推奨します」と、イラストレーター・原田ちあき氏を起用したイメージイラストとともに、SNSでの拡散でキャンペーンをおこなった。

拡散の甲斐あってSNSでは、「帰り道が明るくて怖くないから最高」「1人だと絶対に昼の方がいい」「こんなときだけど好きな映画は映画館で観たいからお昼に!」と、コメントが相次ぎ、それぞれ新たな楽しみ方を見つけているようだ。

さらに、苦しい状況下でともに闘う映画館からも反響が。関西をはじめ、首都圏や福岡の映画館SNSアカウントからも『#昼ホラ』の投稿が多くあったそう。なかには、「この苦しい状況を劇場とともに乗り越えようという、東映さんの心意気に感動! 応援します!」と、映画館から熱いメッセージも届いたという。

その結果、公開初週には同作品の興行収入が高かった全国10劇場のうち、7劇場が関西管轄エリアからランクイン。さらにその翌週には、1位の「大阪ステーションシティシネマ」(大阪市北区)を筆頭に、上位7劇場を関西管轄の劇場が独占するなど、大きな成果を見せた。

「東映」の関西担当者は、「関西とゆかりがない作品で、ここまでの成績が残せたことは、正直予想外でした。関西発の取り組みでしたが、緊急事態宣言発令中のほかの地域の映画館も『#昼ホラ』のハッシュタグを付けて発信していただき、お客さまはもちろん、映画館側からの反響の大きさも感じています」と、語る。

危機的状況に直面した作品を救うべく配給会社が始めた同企画が、映画館やお客を巻き込み大きな成果をあげた。夜に劇場に足を運べない今だからこそ、新しいホラー映画の楽しみ方に気付ける『#昼ホラ』を楽しんでみるのもいいかもしれない。