上方のコメディエンヌの生涯を描く、連続テレビ小説『おちょやん』(NHK)。3月26日の放送回では、「お母ちゃんて呼んでみ」と題して描かれた第16週(3月22日〜26日放送)を振りかえる。

千代(杉咲花)の父・テルヲ(トータス松本)が亡くなって5年がたち、千代は30歳になった。昭和12年、夏に始まった日中戦争で日本軍は勝ち続け、国中が沸くなか、「鶴亀家庭劇」でも戦争を題材とした愛国ものの芝居『頑張れ!集配婆さん』が人気に。

そんななか、千代は新派出身の子役・松島寛治(前田旺志郎)をしばらく預かってほしいと、鶴亀株式会社の熊田(西川忠志)から頼まれる。千代と一平(成田凌)は、父親を亡くし身寄りのない寛治と1カ月ほど一緒に暮らすことにする。

寛治は明るく調子よく振る舞っていたが、どこか悲しみを抱えている様子。千代は違和感をおぼえながらも、寛治に自分の子どものような親しみを感じ、お母ちゃんとして振る舞う。

そんなとき突然、千代が憧れてきたスター女優・高城百合子(井川遥)と千代の初恋相手・小暮真治(若葉竜也)が千代のもとを訪ねてくる。驚くことに2人は結婚しており、芝居をできる場所を探しながら、全国を2人で回っているのだという。

久々の再会に、天海家で楽しい夜を過ごす4人だったが、百合子と小暮はある秘密を抱えていた。2人は思想や言論を取り締まる秘密警察「特別高等警察」に追われる身となっていたのだ。特高に居場所を突き止められ、家のなかに踏み込まれるも、千代の機転でなんとか逃れ、ソ連へ亡命すると決意した2人は旅立っていった。

一方、「鶴亀家庭劇」の準備金を持ち出した寛治。大山社長をはじめ、鶴亀株式会社としても扱いに困っていたが、千代はその寛治の屈折した心をどうにかしたいと思っていた。しかし、寛治の態度はかたくなで、一筋縄ではいかない。

そんなある日、新聞にある記事が載り、千代と一平は驚く。そのことが千代の背中を押すこととなり、寛治とあらためて話し合う時間をつくるのだった・・・。

今週は再び千代の前に現れた百合子と小暮に視聴者は注目。百合子は千代に女優を志すきっかけを与えた人物。第79回では、「小暮さん、百合子さん、お元気で」と言葉をかけ深々と頭を下げた千代に、百合子が振りかえり、無言で千代を抱きしめた別れのシーンが印象的だった。

そのBGMには『カチューシャの唄』が使用されたが、この曲は第15回で百合子が道頓堀を離れるシーンでも印象的に使われた曲だったことから、SNSでは「せつない」「高城さんの旅立ちのテーマ曲なのかな」など声が寄せられ、百合子を演じた井川遥も自身のインスタグラムにて、「夜明け 旅立ちはいつも カチューシャの唄 高城さんとお別れするのは ほんまに寂しい」と、役との別れを惜しんだ。

また、天真爛漫に見えるもどこか陰のある寛治にも注目が集まった今週。今後について、寛治役を演じる前田旺志郎は、「物語は戦争に突入していき、寛治自身も千代との関係性が変化していくことになります。人間の良い部分だけでなく汚い部分や悪い部分もすべて包み込んでくれるような作品になっていますので、全人類にご覧になっていただきたいです!」と呼びかけている。

本作は、「松竹新喜劇」で喜劇女優として人気を博した浪花千栄子をモデルとした、明治の末から戦後を駆け抜けるヒロインの物語。土曜は、黒衣犬(桂吉弥)が解説するその週の振りかえり。放送は、NHK総合が朝8時から、BSプレミアム・BS4Kが朝7時半から。