7月30日に封切りを控える、阪元裕吾監督によるアクション映画『ベイビーわるきゅーれ』。その主演に選ばれたのが、18歳の注目女優・高石あかりだ。ダンス&ボーカルグループ・a−X’s(アクロス)で活躍した高石は、2019年に女優に本格転向を発表し、舞台を中心に徐々に活躍の場を広げている。そんな高石に、2017年に大きな話題を呼んだ「奇跡の1枚」で感じたリアルな心境や、女優として活動するうえでの思いなど、話を訊いた。

取材・文/つちだ四郎

「後に活きるはず、と信じて活動してきた」

──高石さんは『ベイビーわるきゅーれ』が初主演映画ですよね。初めて聞いたときの心境はいかがでしたか。

映画の主役をするのは夢だったので、素直に楽しみでした! すでに映画『ある用務員』(2020年)で阪元裕吾監督や(『ベイビーわるきゅーれ』で共演した)伊澤彩織さんとご一緒していたこともあって、プレッシャーや怖さをはるかに上回ってポジティブな感情でした。

──舞台に多く出演されている印象ですが、映画と舞台の違いはありましたか。

同じ演技なはずなのに、組み立て方や期間など大幅に違いを感じました。舞台だと、ステージを作り上げるという準備期間があって。その分、1回ごとの公演で慣れてはいけない、毎回新鮮でいないといけないという緊張感があります。生モノだからこその刺激というか。

逆に、映画の場合は準備期間で丁寧にというよりこれまでの自分が積み上げた経験みたいなものを、その場にいる人たちにさらけ出す必要があるのかなって。さらに、映像という形に残って、より多くの人たちの目に入るわけですよね。しっかりとした正解が分からず、自分がこうだと決めたものを見せるしかない、これもまた刺激的だなって。

──刺激的といえば、華麗なアクションシーンは圧巻でした。

ありがとうございます! 「銃を奪って撃つ」というシーンで、2秒ほどなのに4、5個の動作をこなす必要があって、一瞬で身体を動かすというのがとても難しかったです。でも、これまで観てきた映画のアクションシーンで、多くの俳優さんも同じことに取り組んできたんだな、という気付きもありました。映画の見方が変わりそうだと思ったし、アクションの奥深さに目覚めましたね。

あと、a−X’sでの活動もあってか、スタッフの方に「グループ時代で培った、ダンスのキレがアクションシーンに活きてるね」と褒めていただくこともあって。(グループ所属当時)ずっと「今経験していることは後に活きるはず」と信じて活動してきたので、繋がってよかったです。

「『まだ女優になれてない』って気がラクになった」

──グループでの経験が演技に活かされていたんですね。グループ時代といえば、2017年にはパフォーマンス中の写真が「奇跡の1枚」として取り上げられ、大きな話題となっていました。

はい、あのときはびっくりしました。その日、朝起きると、両親から「すごいことになってるよ」と連絡が来たんです。最初は何も分かっていなかったんですが、ツイッターを開くとフォロワーがどんどん増えていくのが見えて、あまりの増え方に「どうなっちゃうんだろう」とちょっと怖くなったりして(笑)。でもはじめて街中で「奇跡の1枚の方ですよね」って声をかけていただいたり、うれしいこともたくさんありました。

──「究極の笑顔」や「天使すぎる」といった賞賛の声も多かったですよね。

「盛りすぎや!」って思いました(笑)。自分のイメージと、記事に書かれている言葉を見てギャップに驚いたり。それと「あの写真が最高潮だった」と思われたくないなぁ、とも感じました。ネガティブな意味じゃなく「あの写真を超えるぞ!」という励みになったんです。

──やはり「奇跡の1枚」は高石さんのキャリアでもターニングポイントとなる出来事だったんですね。その後女優に転向すると発表されましたが、女優としての活動はグループ時代からされていましたよね。正式に発表したことで、心境に変化はあったのでしょうか。

女優になるという表明をさせていただいたものの、正直はっきりとした実感はわかなくて。肩書として「女優・高石あかり」とあるのに、それでもどこかで「女優になりたい」と思い続けているんです。「今の私って、自分が思う女優になれているのかな」と考えたとき、私が夢見た「女優」はもっともっと高みにいる人だし、ギャップを感じました。

──なるほど。

そんなとき、尾野真千子さんのインタビューを拝見したんです。そのなかで尾野さんが「女優になりたい」と発言されていたのに、「こんな偉大な方でさえそう思うんだ!」って衝撃を受けました。「私はまだ女優になれてないんだな」って気がラクになったんです。今がゴールじゃなくて、これからどんどん高い場所を目指せるんだって。

──しっかりとした女優像をお持ちなんですね。具体的に目標とする女優の方はいらっしゃいますか。

宮崎あおいさんの生々しくも繊細なお芝居に憧れていて。今後女優のお仕事をさせてもらうなかで、宮崎さんのような「人間」を出すお芝居もできたらなって思います。

──これから、女優としてどんどん活躍の幅を広げていくと思うのですが、今後挑戦してきたいことを教えてください!

今回アクションシーンがすごく楽しくて! また殺し屋役やアクションをやってみたいです。今回はガンアクションが主だったので、もっと体術を使ったアクションにもチャレンジしてみたいですね。

映画『ベイビーわるきゅーれ』は、社会不適合者の元女子高生・ちさと(高石)、まひろ(伊澤彩織)の殺し屋コンビが、社会に馴染もうと一生懸命努力する異色の「明るい殺し屋」による青春映画。7月30日より全国の劇場で順次公開予定。

8月20からは「なんばパークスシネマ」(大阪市浪速区)、「シネ・リーブル梅田」(大阪市北区)、「神戸国際松竹」(神戸市中央区)、8月27日より「京都みなみ会館」(京都市南区)にて公開。

※高石あかりの「高」ははしごだか