ドラァグクイーンが子どもたちに寄り添って、絵本を読み聞かせる。だいぶ奇妙な光景だが、これはれっきとした子どもたちへの文化・教育プログラム。そんな企画が、「ロームシアター京都」(京都市左京区)で、8月14日・15日におこなわれる。

アメリカのLGBTコミュニティーから始まったこの活動は、Drag Queen Story Hour(ドラァグクイーンストーリーアワー)と呼ばれ、各地でも開催。クイア(マイノリティ)であることを美しく、そして誇らかにアピールするドラァグクイーンが、絵本を通じて、子どもたちに個性や多様性の大切さを伝えるメッセンジャーとなっている。

日本でも東京でおこなわれるなど広がりを見せており、今回は同館の夏休み企画のひとつとして、映像上映と絵本の読み聞かせが実現することとなった。出演するのは、クラブ「京都METRO」で20年以上続く老舗ドラァグクイーンパーティーDiamonds Are Foreverと、関西のユニットPeek a Queenのキャストだ。

アメリカの活動は、あくまで健全ムードで歩み寄るスタンスなのだが、同メンバーが2020年2月に大阪でおこなった読み聞かせ会では、アダルトなシャンソンあり、セクシーなダンスありで、忖度ナシな内容。子どもたちは初めての姿に驚きながらも、目が釘付けになっている様子だった。

「アメリカと同じように多様性を知ってもらいたい趣旨は変わらないけれど、ドラァグクイーンの、社会のなかでのヴィラン(悪役)的な存在感を変えてまで子どもに寄り添いたくはない。それに、『子ども向け』にしてしまっては、子どもに失礼でもあるし。ふだんの世界と違うナイトクラブカルチャー、ドラァグクイーンの非日常の世界に入ってきて欲しい」と、今回出演するシモーヌ深雪さんは語る。

今回の『 プレイ!シアター in Summerオープンデイ ダイアモンドの館 HOUSE OF DIAMOND』も、「エロスとアガペを自由自在に支配する大人に育てるための子どもたちに向けての特別プログラム」を謳った内容になるという。対象は4歳〜小学3年生(3歳以下も入場可)で、読み聞かせイベントは7月31日までで要事前申し込み(定員100名で)。

取材・文・写真/沢田眉香子