新たに柔らかなオーラをまとい、極上の歌声を劇場いっぱいに響かせる。4月に宝塚歌劇団を卒業した、元雪組トップスター・望海風斗(のぞみ ふうと)の退団後初となるソロコンサート『SPERO』が、8月2日に「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で開幕した。

構成・演出・振付を担当した川崎悦子が、「スタイリッシュでリリカルなコンサートに仕上げました。4つのサロンで構成し、それぞれに彼女の魅力が詰まっています」とコメントしている通り、上質のサロンでじっくり歌声とダンスを楽しむような、大人の雰囲気が漂う洒落たステージになっている。

望海はマニッシュな緑のロングコートから、男役時代を彷彿とさせるハット&パンツスーツ、自身も新鮮だと笑顔を見せるピンクのサプライズ衣装、さらにロングプリーツのフェミニンなデザインまで、トップ時代とはまた違うナチュラルな美しさが引き立つスタイルを披露。映画『シャレード』の主題歌などで構成された「シネマ」の場面から始まり、ジャズ、ミュージカルナンバー、宝塚時代の楽曲まで次々と圧倒的な歌唱力で聴かせた。

ミュージカル『ドリームガールズ』の「ドリームガールズ」では、まさにディーヴァの輝き。男役からの声の変化がとても自然で、歌い手としてのポテンシャルの高さを改めて示した。また、鬼束ちひろの「月光」が、どこか神々しい望海の歌声にぴったりフィットしていたのも心に残る。

スペシャルダンサー・佐藤洋介にリードされて華麗に踊る場面や、同期の大月さゆをはじめとする息の合った出演者らと賑やかにトークする場面あり、望海は終始新たな冒険に心弾ませているような、生き生きとした表情を見せた。

初日前日におこなわれた公開舞台稽古では、「とてもリラックスしてできました!」と笑顔を見せ、「明日、なんとか初日を迎えられそうで安堵しております」と、ここまで走り抜けてきた感慨を吐露。「最高のギフトをお届けできるよう、一曲一曲心を込めて歌いたいです」と意気込む望海の第2章が始まった。

「梅田芸術劇場メインホール」での同公演は11日まで。その後、8月20日〜22日に「北九州ソレイユホール」、9月16日〜17日に「東海市芸術劇場大ホール」、9月26日〜10月5日に「KAAT 神奈川芸術劇場」でも上演。なお、ラミン・カリムルーがゲスト出演する8月9日・昼1時公演のライブ配信が決定。詳細は公式サイトにて。

取材・文/小野寺亜紀