故・黒澤明監督の映画を原作に三池崇史が演出し、桐谷健太、高橋克典、佐々木希、田畑智子、篠田麻里子、髙嶋政宏という豪華俳優陣が出演する舞台『醉いどれ天使』。東京・明治座公演を経て、大阪公演が「新歌舞伎座」(大阪市天王寺区)で10月1日に開幕した。

舞台は、戦後の混乱期に存在した「闇市」。主人公の松永(桐谷健太)がやくざ同士の喧嘩で銃弾を受け、小さな町の病院を訪ねたところ、結核が発覚。彼を助けようとする医者・真田(高橋克典)や住み込みで働く美代(田畑智子)、松永に恋心を寄せるぎん(佐々木希)、敵対するやくざ(高嶋政宏)など当時を生きる人々の混沌とした人間模様を、エネルギッシュに描いた作品となっている。

今回の舞台では、「戦後」という時代背景や「ヤクザ」といった日本らしい物語でありながらも、色鮮やかな照明やセットを用いたポップな演出が特徴的で、ダンスホールで働く奈々江(篠田麻里子)を中心に魅せるダンスパフォーマンスはまるで60年代のアメリカ映画のようなワンシーンに。また、劇中に織り交ぜられるバンドによるジャズミュージックの演奏や、ダンサー・役者によるパフォーマンスも、物語を展開させる重要な役割のひとつとなっている。

葛藤や苦悩、トラウマ、壮絶な過去を持ちながらも、明日に向かって必死に生き抜く人々を豪華俳優陣らが熱演。同作が訴えかけるメッセージは、今のコロナ禍にどこか共通しており、暗くどん底の日々に「光」を差し込んでくれるような作品に仕上がっている。

大阪公演は10月11日まで、チケットはS席1万4000円、ほかA席7000円、特別席1万4500円。