これまで関西ローカルだったジャニーズWESTの『あなたの代わりに見てきます! リア突WEST』(ABCテレビ)が、10月3日から全国ネットで放送されることに(グループにとって初の全国レギュラー)。理解不能な人に突撃取材し、身体を張りまくるメンバーの姿が「腹抱えて笑った」などファン以外からも話題を呼んでいる。

「グループ史上1番過酷」と言われる長時間ロケに挑む彼らの姿はもちろん、視聴者が注目しているのは、約6年前から冠番組でタッグを組み続ける「ABCテレビ」による愛ある編集だ。今回、日曜昼枠の全国ネット進出を記念し、彼らとロケをともにし続けている北村誠之プロデューサーに話を訊いた。

■ 「『一生懸命』から生まれる笑いなので、昼でも大丈夫かなと」

──関西ローカルの深夜枠から、全国ネットの日曜昼枠にお引っ越しですね。

番組が始まるときから全国ネットは狙っていたのでうれしいです。いつでも全力で頑張る彼らの姿がときに滑稽に見えて、ときに感動して・・・基本「一生懸命」から生まれる笑いなので、昼でも大丈夫かなと思っています。たまに昼に放送できないものもありましたけど(笑)。

──「爆裂人気の呪い代行業者」「自然に激萌えするラブリー系おじさん」「闇の中で集めた他人の不幸を横流しして金を稼ぐ男」など、いつも突撃する取材対象者や内容について、メンバーは何も知らされずにロケが始まりますが、そういう流れにしたのはなぜですか?

「俺たちは何をさせられるん!?」ってなったら、目の前のものを一生懸命やるしかないじゃないですか。最初の頃はWESTのみんなも何も知らされないことにストレスがあったと思いますけど。

──でも、初回放送(関西ローカル)で、ロケを担当した重岡さんや小瀧さんが「俺らは自然なリアクションが魅力やから、知らされないほうが良い」って言ってましたよね。

そうなんです。すごく良いなと思うのが、たとえばスタジオ収録で重岡くんと小瀧くんのVTRを見たとして、そのあと翌週にロケに行く藤井くんと神山くんが「前回の2人よりおもしろいもんにしたいな」と言っていたり・・・。メンバー同士、良い仲間でありライバルなんですね。それに重岡くんは桐山くんと行くときはちょっと甘えたりとか、組み合わせによって変わるのが新鮮でおもしろいです。

──組み合わせによって、それぞれの個性が浮き彫りになるという。

濵田くんと神山くんの2人はほんまに真面目で文句も言わないので、こっちも甘えて8時間くらいのすごくしんどいロケをやってもらったり(笑)。この取材対象者やったらこの2人かなぁとか、いろいろ考えています。

──取材対象者もすごく個性的な人が多いですが、どういう基準で選んでいるのですか?

実はすごく慎重に選んでいます。変わった人って全国に山ほどいると思うんですけど、単に変わった方じゃなくて、「ひとつのものに対して、突き詰めたがゆえにちょっと変わった人」というのを大事にしています。ロケで何をするのか一切聞いていないWESTが初めて会って、「あ、この人のこういうところがすごいんや」と一目でパッと分かる人。 

──彼らもその取材対象者にリスペクトを持って、ロケに挑んでますもんね。これまでも古墳を掘って曲を作ったり、「ゴルフボールダイバー」という職業の男性とゴルフ場の池を潜ったり・・・そもそも過酷ロケをする番組にしたきっかけは何だったんですか?

まずは関西出身のジャニーズWESTの魅力として「お茶の間を笑かす」というのが第一にあって。そして、デビューして7年というキャリアで年齢的にも彼らは中堅に入っていくと思うんですけど、こんなしんどいことできるのは今後無くなっていくかもと思いまして。じゃあ「過酷&体当たり」を突き抜けていこうということになったんです。

■ 「中間くんは、いじったらめっちゃおもしろい」

──北村プロデューサーから見た、メンバーそれぞれの取り組む姿勢や良いところを教えてください。

重岡くんはとにかく明るいですね。何でもおもしろがるのは才能やと思います。少年のように「淳太いじったら楽しいなあ」「小瀧にこれやらしたらおもろいなあ」っていつも楽しんでますね。本人も「この番組が1番素の自分」って言ってくれていて、TVerで何回も番組を観てるらしいです(笑)。

小瀧くんは最年少やけど、実はすごくスタッフの意図を汲もうとしてくれるというか。賢いしバラエティ脳がすごいなって。これ記事にしたら本人やりにくくなると思うんですけど(笑)。

──VTRを観てるときのコメント、結構採用されていますよね。

そう、コメントが秀逸なんですよ。なので、編集のときに「ここはあえて説明不足にしといて小瀧くんにツッコんでもらうのが良いんちゃう?」ってなったり。スタジオ収録でキーになってますね。

桐山くんはめちゃくちゃお兄ちゃんですね。やっぱりおると締まるというか、状況を読み間違えないからすごく安心して任せられる。何でも器用にやるから「このロケのゴール難しそうやけど、桐山くんやったらできそうやな」「もしできんかっても相談しながらやったらいけそうやな」って。頼もしいです。1番根性あると思いますね。

中間くんはね・・・いじったらめっちゃおもろいんですよ、ハハハ!

──スタッフさんからすごく愛されてるなと観てて思っていました(笑)。

すごくいじったくなっちゃうんですよね〜。リアクションも最高でしょ。過酷なロケをほんまに頑張ってるのに、こんなおもろいんやって。本気でキレてそうですけど、収録が終わってから『面白かった』とか『あそこもっとこうしても良かったですね』とかすごくお笑いに前向きで、根っからの関西人やなって思います。

濵ちゃんは、濵ちゃんにしかできひんことがあるというか、台本じゃ書けないくらい天然。何でもおもしろくしてくれるので、ありがたいなって思います。それに本当に真面目で一生懸命なので、体力系のロケに行ってもらって・・・。ロケ後のスタジオ収録、めっちゃ疲れてますけど(笑)。

──リアルな一面ですね。

神山くんは1番の頑張り屋さんです。ロケ中もVTRの山場を作らなアカンってすごく考えてくれて、オープニングからボケたりとかいろいろやってくれるんですよ。あと、以前激辛のロケで重岡くんと行ったときがあって、重岡くん辛いもの苦手で、神山くんも苦手なはずやのに「俺、頑張るわ」って頑張ったり・・・WESTでは年下組なんですけど、お兄ちゃんに見えます。

藤井くんはあんな男前やのに、めっちゃ不器用な動きをするときがあってそれがおもしろい。濵ちゃん系の天然さもあるし。それに、ノってるときとノってないときがすごくわかりやすくて、それが逆にリアルで良いなと思いますね。「自分はこれは嫌」っていう空気を出せるのが、この番組では大事なことなので。

■「この番組はほんまに嘘がない、リアルなんです」

──それぞれの素が出まくってるのが、番組のおもしろさに繋がってると思います。本人たちは「この番組、普通ならカットするような場面しか流さへん」ってクレームを言っていましたが・・・。

リア突のロケって、カメラを基本止めないんですよ。常に5台くらい回りっぱなしで、ディレクターが「はい、オッケーです」って言っても回すようにお願いしてて(笑)。初期の放送で濵田くんがジビエのアナグマを食べる回があって、「うまい!」って笑顔を見せたところでカットがかかったんですけど、実は獣肉が苦手だった濵田くんがそのあとツラそうに顔をしかめるところまでしっかり使ったったんです。

そしたら「カットかかっても信用したらアカン」「使ってほしいところを切って、カットしてほしいところを使ってきよる」ってメンバー間で共有されて。僕らは勝手に褒め言葉やと思ってますけどね(笑)。

──そういった素のリアルな部分も見せちゃおう!ってできるのは、6年間番組をともにやってきたWESTと「ABCテレビ」の信頼関係があってのことなのでしょうか?

僕は「リア突」から担当なんですけど、最初WESTと番組をすることになったときに、これまで担当してきた先輩方にもいろいろ聞いたんですよ、「どんな子らですか」って。そしたら「みんなほんま頑張るで」って。みんなめっちゃWESTのこと好きなんですよ。それを聞いて、安心して「じゃあ身体張ってもらおう!」ってことになりました(笑)。

──8時間かけて作った巨大流しそうめんが失敗に終わったり・・・めちゃくちゃ身体張って、そういう結末になるのも「リアル」で観てて楽しいです。

ちゃんと一生懸命やると、こんなおもしろい終わり方もできるんだって発見がすごく多くて。準備したとおりにいかないことばかりです。でも、今の時代っぽくないですか。テレビはヤラセがどうだとか言われることもありますけど、この番組はほんまに嘘がない。リアルでやらせてもらってます。

──嫌そうな顔や、疲れた顔など、すべて映してオンエアしているので、嘘がないのはわかります(笑)。

ロケにいった2人の1ショットはずっとカメラで抑えてるし、「あ、このときこんな表情してたんや」とか僕らも事細かに観て、映像でどんだけ遊べるかというところに力を入れています。彼らをイジるというより、共同作業でおもしろくしてるというイメージなんです。

──共同作業、ですか。

みんなバラエティの経験も豊富なので、本人たちの手応え的に「ここはうまくいかへんかったな」とかあると思うんですけど、その納得できてないところをいかに編集でおもしろくするかが大事やなって。「やっぱりカットされたか」じゃなくて、「あんなにうまくいかんかったシーンもおもしろくしてもらえた」っていうことが信頼関係に繋がると思うんですよね。

■「意外とお勉強になるんですよ、この番組!」

──VTRをスタジオで見守るメンバーもめちゃくちゃ楽しそうだし、一発ギャグなどムチャブリにも全力で応えるし、一緒に番組をおもしろくしていこうという姿勢を感じます。全国ネットになっても長時間ロケは変わらずやり続けるんですか?

はい、変わらずやろうと思っています。関西ローカル深夜から全国ネット昼になることで、これまで見てくださってた視聴者のなかには「大丈夫かな」「おもんなくなるかも」と思ってる人もいるかもしれませんが、全国ネット初回(10月3日)の見どころを言いますね。

まずひとつが取材対象者とロケ担当の重岡くん小瀧くんが出会ったとき、重岡くんがこかされて踏まれます。もうひとつが取材対象者が67歳の男性なんですけど、25歳の小瀧くんと本気で取っ組み合いします。

──おぉ〜・・・。それを聞いて安心しました(笑)。この番組は、藤井さんがバラエティ担当、小瀧さんがギャガーなどWESTの意外な一面が見られますし、ファンじゃない方も楽しめますよね。

日曜のお昼やし、家族で観てもらえる枠やと思うので、1人でも多くの方に観てもらえるように頑張りたいです。それに意外とお勉強になるんですよ、この番組。初回やったら槍と弓矢の正しい使い方が学べますし。こんなすごい人がいるんや、とか、こんな仕事があるんやとか、いろんな発見をしていただきたいですね。

「『歩くところ全てを戦場と化す 人間凶器エクスタシー』にリア突」する全国ネット初回は、10月3日・昼1時25分から放送。放送後、TVerやGYAO!で見逃し配信あり。

取材・文/Lmaga.jp編集部