「アサヒビール大山崎山荘美術館」(京都府乙訓郡)で企画展『和巧絶佳―令和時代の超工芸』が、12月5日まで開催中。現代のファッションやハイテクとも融合し、工芸素材の美の可能性を探る令和時代の工芸を、若手アーティスト12人が披露している。

◆履くと、モデル立ちになれるガガ靴!?

ポスタービジュアルにもなっている、ご存知レディ・ガガが着用したことでも有名な、ヒールのない不思議なデザインの靴。実はこれ、江戸時代の花魁の装いをアヴァンギャルドファッションとして研究していた舘鼻則孝(たてはなのりたか)が、花魁の高下駄にインスパイアされてデザインしたものだ。

10月3日、このガガ好みの超工芸シューズのアートな履き心地を体験できるイベントが開催され10名が試着に挑戦(10月16日、11月3日は満席、見学可)。参加者は、恐る恐る足を入れるが、かかとは地上約20センチ以上浮かんだ状態で、靴の中に入れた足はつま先立ちでがっつり固定。 

「足がつりそう」と驚きつつも、立てば、もれなくアートの一部になったようなキマリっぷり! 「靴は実用のもの、という意識しかなかったけれど、実用性を削ぎ落としたところに、想像できなかった美が現れるのを感じた」と興奮冷めやらぬ人も。ものと使い手がインスパイアし合う。これも工芸の「用の美」だ。

◆工芸から生まれる驚くようなアート

このように、あっと驚く超絶技巧作品が紹介される同展。水の中で金魚が泳いでいるようにしか見えない作品は、深堀隆介の絵。器の底に流した透明の樹脂の表面に金魚の体の一部を描いては樹脂を重ねてまた描くことを繰り返して、二次元の絵を積層にして三次元に見せる「2.5Dペインティング」。昔懐かしい日本の夏の風物詩が現代の技でアートになった。

髙橋賢悟は、金属を型に流して形にする鋳造の型に生きた花を型に用いる「現物鋳造」という新しい技法で、アルミニウムの花を作品に。漆器を光沢のある貝などで装飾する「螺鈿(らでん)」に、レーザーカッティングを用いるのは池田晃将。古典技法がSF的な輝きを放っている。

このように、日本古来の美や工芸技術からクールなアートを生み出すのが、令和の超工芸作家たちなのだ。19世紀に欧米で、明治時代の工芸がジャポニスムブームを起こしたように、令和の今、世界にインパクトを与える日本の超工芸に注目を。料金は一般900円。

取材・文・写真/沢田眉香子