音楽家・細野晴臣と建築家・安藤忠雄が8日、「こども本の森 中之島」(大阪市北区)でおこなわれたトークイベントに出演。招待された親子らを前に、幼少期の体験などについて語り合った。

この日が初対面だったという2人。音楽と建築について、細野が「構造があって、数学もちょっと使うし、そのうえにイマジネーションを乗っけていく。似てると思いますよ」と話すと、安藤は「そうですね。でも建築は視覚やからあんまり心に残らないけど、音楽はできるだけ子どものときに聴くのがいいと思うんです。生涯残りますからね」と、冒頭から意気投合。

細野は自宅ではあまり音楽を聴かないそうで、「近所のことが気になるし、大きな音出せませんから。聴くときはヘッドフォンだけど、やっぱり空気を通して聴くものなので、車のなかが理想的なリスニングルームなんですよね。だいたいプロのミュージシャンはそうやって聴いてます」と話し、「車をコンビニの前に停めて爆音でカントリーミュージックを聴いていたんです。そしたら通報されて警官が来たんですよ」とエピソードを明かし、会場を沸かせた。

今年ソロデビュー50周年を迎える細野。幼少期について「生まれた頃からすでに蓄音機があったんですけど、子どもにとって針を乗っけたり、蓄音機はおもしろいんですよ。そのうち自分でかけるようになって、3〜4歳の頃に浪曲、歌謡曲、軍歌、ジャズ・・・、と全部聴いたなかで好きになったのがジャズでした。子どもって自分で選ぶんですよ。歌詞なんかわかんないですから、リズムなるものを選んでいく。それがずっと今も残っています」と振りかえった。

その後、アイルランドのロックバンド・U2のボノや音楽プロデューサーのカニエ・ウエストが「『安藤さん、設計せえ』とやってきた」という体験を淡々と話す安藤に、細野が「すごいね(笑)」「人気者だ」と驚くなど、大御所2人の貴重トークに観客も大満足。

最後に細野は観覧していた親世代に対し、「音楽が聴ける場所に連れて行ってあげるのが1番だと思いますね。生の音。僕の経験だとオーケストラを聴いたときにゾクゾクっとしますから。そういう豊かなハーモニー、民族音楽とか良いんじゃないかな」と伝え、「みんな音楽家になる素質があるのでね。ライバルになっちゃう」と期待を込めた。

11月12日からは、細野晴臣デビュー50周年記念展『細野観光1969ー2021』 が「グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタルイベントラボ」(大阪市北区)にて開催。またライブドキュメンタリー映画『SAYONARA AMERICA』の上映も同日スタートする。