俳優の段田安則が主演を務める舞台『セールスマンの死』。関西公演の開幕に先立ち、5月6日に取材会がおこなわれ、共演の林遣都と高橋克実が同作品への見どころを語った。

『セールスマンの死』は、1949年にアメリカで初演されて以来、古今東西数多くの名優たちが出演を望んできた名作。凄腕のセールスマンだった主役・ウィリーが、思い通りにいかなかった家族の関係と自らの人生に思い悩み、悲しい決断に出る・・・という物語だ。

ウィリーの次男・ハッピーを演じる林は、やはり本作を「いつか出演したい作品だった」と言い切り、「全編通してつらくて悲しい話。でも人がその現状を変えようとしたり、つちかってきたものを守ろうとして、死にものぐるいで生きている姿に心を打たれます」と、その素晴らしさを語る。

また、ウィリーの記憶のなかに現れる兄・ベンを演じる高橋は、カンパニーの雰囲気を語り、「(主演)段田さんは普段はひょうひょうとしているけど・・・この作品にはすごい熱量で向き合ってる。その背中に、みんなが自然と引っ張られている感じです」と、キャストが一丸となって作品に取り組む様子が明かされた。

また同作は、イギリスの気鋭演出家ショーン・ホームズを迎え、大胆な舞台美術や俳優たちの緻密な動線を用いた「視覚的な工夫」が施されている。林は「場面転換がすごく独創的。『これはなにを物語っているんだろう?』という想像を、より楽しめるものになっているのでは」とその特異性を語った。

続いて高橋も、「稽古場ではよくわからなかったけど、劇場にできたセットを見て、『こんなことになるんだ!』と思いました。僕は特殊な所から、出たり入ったりするので大変です(笑)」と、美術の仕掛けが、かなり本作のウェイトを締めていることをうかがわせた。

そしてこの舞台について高橋は、「父と子は世の中で一番血が近いはずなのに、なんでこういう関係になるんだろう? と、刺さる所がいっぱいある。この舞台の段田さんも、ぜひ観た方がいいと思います」と期待を込めた。

舞台『セールスマンの死』は、京都公演が5月7・8日に「ロームシアター京都 メインホール」(京都市左京区)、兵庫公演が5月19日〜22日に「兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール」(西宮市高松町)で開催される。チケットは両都市とも1万1500円で、現在発売中。

取材・文/吉永美和子