「熱中症警戒アラート」が頻発し、連日酷暑が続く今日この頃。1日中エアコンをつけっぱなしにしていることに罪悪感を感じている人も多いだろうが、だからと言ってエアコンを使用しないのは命の危険につながる。夏を快適に乗り切るエアコン術はあるのか? 世界的な空調メーカー「ダイキン工業」(大阪市北区)の広報・野田久乃さんに話を訊いた。

エアコンの我慢は危険! 「住居」での熱中症で救急搬送

2022年6月、「ダイキン工業」が全国約500名の男女を対象におこなった調査によると、「省エネ・節電のために、エアコンの使用を我慢しようと思うことがある」という人が64.7%にものぼった。熱中症警戒アラートに「危険」や「厳重警戒」が出るなか、エアコンの使用を我慢すると熱中症につながり非常に危ないと野田さんは言う。

その熱中症だが、実はもっともなりやすい場所が「住居」。総務省消防庁によると、全国で熱中症で救急搬送された5万2754人のうち、40.6%が「住居」で熱中症にかかっているという(令和4年4月25日〜8月7日の熱中症情報速報値)。このうち、高齢者は55.0%で、次いで成人が33.2%、なんと60人が死亡に至っている。慣れた自宅だからと言って夏の暑さを甘く見ないことが重要だ。

睡眠時は「ドライ」設定、26〜28度のつけっぱなしが◎。

夏場に悩ましい、就寝時のエアコンの設定。実際、節電や寝つきを考えたときどうすればいいのか? 「ダイキン工業」では、関東・関西20代〜70代の男女1000人を対象にアンケートをおこない、夏の夜にエアコンをどうしているか調査したという。

すると、就寝時にエアコンをつけっぱなしにしている人は全体の23.5%、タイマー設定(途中で切るか、途中で入れるか)が53.1%。そのなかで、暑くてなかなか寝付けなかったり、途中で起きてしまう人は、ともに5割以上という回答となった。また、電気代の高騰により、家計への負担を感じている人も多かった。

夏場の快適な睡眠には、温度はもちろん、湿度を下げることも大切。湿度が高いと汗が乾かず、体温調整がうまくいかなくなり、寝つきが悪くなるからだ。基本的には「自動運転機能」があれば、快適な温度と湿度に保ってくれるのだが、ない機種の場合は湿度を50%より低く保つ「ドライ設定」がおすすめ。設定温度は下げ過ぎず、26〜28度を目標に調整するのがいいという。

エアコンによる体調不良は、「冷え」が原因。

「ダイキン工業」では、熱帯夜の就寝時は、朝までつけっぱなしを推奨しているという。野田さんは、「これまで、タイマーを使ったりして、できる限りエアコンは使わないようにという方が根強くいらっしゃいました」と語る。

「その原因は、エアコンで体調を崩した方が多かったから。冷えないようにすれば、体調を崩すこともありません。近年は住宅内でも熱中症になる方が多く、寝たまま死亡するケースも報告されています。熱中症にならないためにも、夏の暑い期間は『つけっぱなし』で快適な眠りを確保してください」と、就寝時の注意を呼びかけた。

エアコンを使って寝た次の日、体調が悪くなることがあるのは、薄着による「冷え」が大きな原因。就寝時は、体に直接風が当たらないように工夫することが大事だが、体が冷えないように工夫した上でエアコンをつけっぱなしにして、室内の温度・湿度を快適に保つことが重要だという。

真夏にエアコンのリモコンが壊れてしまった!

暑さと焦りで慌ててしまいそうだが、そんなときはどうすればいいのか。「これを知っておけば大丈夫」という、意外と知らない回避術を野田さんに教えてもらった。

エアコンには基本的に、メーカー機種によって表記や場所に違いはあるものの、「運転/停止ボタン」が設置されている。それを押せば、「自動運転」ができたり、1回押すと「冷房」、2回押すと「暖房」、3回押すと「停止」になったりと、簡易操作ができるという(詳しくはご自宅のエアコンの取扱説明書を参照)。温度の調節などはできないが、ひとまず危機的な状況は回避できるということだ。

取材・写真/岡田由佳子