レコードを通してポピュラーミュージックの歴史をたどるユニークな展覧会『世界を変えたレコード展』が、「グランフロント大阪北館 ナレッジキャピタルイベントラボ」(大阪市北区)で、6月21日からおこなわれます。

音楽ソフトをデータで購入できるようになった今でも、アナログのレコードに魅力を感じる人は確実に存在します。音質の良さが見直されているのもありますが、一番の魅力は物体としての存在感でしょう。特にLPレコードのジャケットは、20世紀の大衆文化やグラフィックデザインを知る格好のサンプルであり、今もなお輝きを失っていません。

本展は、レコードが持つジャケットの芸術性、技術や文化に価値を見出して開設した「金沢工業大学 ポピュラーミュージック・コレクション(通称PMC)」から、名品を精選して紹介するものです。PMCの始まりは、1992年にプロデューサーの立川直樹氏から約1万7000点に及ぶレコードの寄贈を受けたことです。その後も全国の愛好家から寄贈を受けて、現在では24万枚を超える国内屈指のコレクションを誇ります。

展覧会は、全長50メートルに及ぶ「ポピュラーミュージック大年表」、ポピュラーミュージック史上特筆すべき7つの出来事をまとめたインスタレーション、芸術性に優れたレコードジャケットを展示するギャラリー、金沢工業大学内のPMCを再現した空間など4つのコーナーで構成されており、選りすぐりのレコードジャケット約5000枚が展示されます。レコードを聞いて育ったアナログ世代だけでなく、デジタルネイティブの若者たちにとっても刺激的な「温故知新」の機会となるでしょう。ちなみに本展の会場構成や展示デザインは、レコードを知らずに育った学生たち(金沢工業大学 環境・建築学部 宮下智裕研究室)が担当しています。

文/小吹隆文(美術ライター)