室町時代後期から戦国時代にかけて、東国で活躍した画僧・雪村周継(生没年不明、1490前後〜1573以降)。彼の画業を振り返る大規模な個展が、8月1日から「ミホ ミュージアム」(滋賀県甲賀市)でおこなわれています。

雪村は常陸国(茨城県常陸大宮市)の武家・佐竹氏の一族に生まれ、幼くして禅寺に出家しました。50歳頃から関東各地を遊歴し、会津(福島県)、小田原、鎌倉(ともに神奈川県)では北条氏が所蔵する中国画や寺院伝来の作品に学び、独創的な表現を確立します。60歳半ば以降は会津、三春(福島県)を行き来し、80歳代後半で亡くなるまで数多くの傑作を生み出しました。

当時の画は中国画を手本にするのが当たり前でしたが、雪村の作品はそうした伝統からかけ離れています。人物画や山水画は破天荒なまでにドラマチックで、パワーが溢れ出しています。一方、動植物を描いた作品は写実的で、生命に対する慈しみや繊細さが感じられます。

15年ぶりの大回顧展となる本展では、海外からの里帰りも含む雪村約80件と、尾形光琳、狩野芳崖など雪村から影響を受けた後世の絵師の作品約30件が展示されます(会期中に展示替えあり)。彼は東国で活躍したので、関西ではやや馴染みが薄く、作品を見る機会も多いとは言えません。この貴重な展覧会を見逃さず、雪村の魅力を思う存分味わってください。料金は、一般1100円

文/小吹隆文(美術ライター)