2017年は神戸港開港150年にあたり、神戸市では様々なイベントがおこなわれています。「神戸市立博物館」(神戸市中央区)で8月5日から始まる『開国への潮流〜開港前夜の兵庫と神戸』も、その一環で行われる展覧会です。

18世紀半ばからの約100年間は、日本は圧倒的な軍事力を背景とする欧米諸国から開国を迫られるようになり、それにどう対応するかが幕府の重要課題になりました。安政5年(1858)には欧米諸国と通商条約を結び、兵庫(神戸)は、箱根、神奈川(横浜)、新潟、長崎と共に開港場に選ばれます。

しかし、箱根、横浜、長崎の開港による国内経済の混乱、尊王攘夷運動の隆盛、朝廷の猛烈な反対により、神戸の開港は5年間延期されることになりました。この間に畿内の政治的地位が急速に高まった結果、神戸は幕府の直轄港、幕府海軍の重要拠点となり、港の近代化が進められていきます。そして現在に至る発展へと繋がっていくのです。

本展では、こうした神戸開港にいたる流れを約100件の資料でたどります。文化元年(1804)に通商開始を求めて長崎に来航したロシアのレザノフを描いた屏風、幕府が兵庫和田岬に築造した石造砲塔の設計図、長崎の海軍伝習所の絵図、神戸開港を伝えるイギリスの絵入新聞などが展示され、当時の神戸と日本を巡る状況を具体的に体感できるでしょう。料金は一般800円。

文/小吹隆文(美術ライター)