現在、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』に、主人公が勤める洋食屋の料理長・牧野省吾役で出演中の佐々木蔵之介。同ドラマでは、女性に一目惚れされるほどのイケメンぶりを発揮している佐々木だが、最新主演舞台『リチャード三世』では、省吾とは真逆の悪漢・リチャード三世を演じる。

最近の主演舞台は、病室で『マクベス』を演じる精神病患者や、ナチスドイツの収容所で懸命に生きる同性愛者など、かなりヘビーな役が続いている佐々木。前回公演『BENT』の会見では、「そろそろライトコメディをやってみたい」と語っていたにも関わらず、またしても軽さとは程遠いキャラクターをチョイスしてきた。

『リチャード三世』は、ウィリアム・シェイクスピア作品のなかでも人気の高い歴史劇。醜い容姿と悪らつな心を持つリチャードが、周囲の人間を巧みにだますことで王位にのし上がり、やがてその地位を追われるまでをドラマティックに描いた物語だ。佐々木が演じるリチャードは、あのハムレットと並んで「俳優が最も演じ甲斐のある役」とも言われる役柄。伝説の劇団「惑星ピスタチオ」に在籍していた頃は、悪役を十八番としていた佐々木だけに、逆らいがたいほどの迫力と魅力を持つ悪党ぶりを、久々に見せてくれるに違いない。

演出は、強烈なビジュアルと過剰なエネルギーにあふれる舞台で「ルーマニアの蜷川幸雄」と評されたシルヴィウ・プルカレーテが担当。またヒロインのアン役を、ドラマ『半沢直樹』などで強いインパクトを残してきた怪優・手塚とおるが演じるなど、ほぼ男優のみで固めたキャスト陣にも注目だ。大阪公演は11月3日〜5日に、「森ノ宮ピロティホール」(大阪市中央区)にて。チケットは各プレイガイドで9月3日から発売される。

文/吉永美和子