幕末から明治初期の頃、北陸・加賀藩の独自の文化だった花嫁道具の展示が、大阪市指定文化財の日本庭園「慶沢園」(大阪市天王寺区)にて11月11日・12日に開催。今回は花婿のれんも展示される。

アンティークな風合いのある美しい染付がされた花嫁のれん。実家の家紋がふたつ染め付けられ、梅や鳳凰などが描かれたとても華やかな暖簾になっている。その風習では花嫁が嫁入りするときに花嫁のれんを持参し、嫁ぎ先の仏間の入り口にかけられる。玄関で合わせ水の儀式を終え、両家の挨拶を交わした後、暖簾をくぐって先祖のご仏前に座ってお参りをしてから結婚式が始まるという必要不可欠な存在だ。

花嫁のれんとともに、その暖簾にまつわるエピソードなども展示されるのが意味深い。本イベントを共催している 「ARTでGENKIになるプロジェクト」代表の津村長利さんは「3年前にこの花嫁のれんを見て、ストーリーを聞いて、とても感動した。ぜひ、その美しさとそれにまつわるストーリーを日頃公開されていない古い茶室の中でお楽しみいただきたい」と本展示の魅力を語る。「慶沢園」に飾られた花嫁のれんと花婿のれん、その物語に思いを馳せてみて。

取材・文/岡田由佳子