ギャンブルなどにのめり込んでコントロールができなくなる精神疾患のひとつ「ギャンブル等依存症」。大阪府は、カジノを含むIR(統合型リゾート施設)を誘致するにあたり、その対策を強化する計画案の概要を1月29日に発表した。

大阪府内で「ギャンブル等依存症」が疑われる人数は、国の推計を基に試算すると過去1年間で約4万9000人。一方、府内の相談者数は374人、専門医療機関の外来受診者数も370人、と推計値とは大きな差がある。

その原因を大阪府の吉村洋文知事は、「正しい知識が社会に広がっていない。依存症自体が病気ということに気付かず、また専門の相談や支援を受けて治療する認識も薄い。それに加え、本人が認めずに重症化する『否認の病』というのもある。府ではそれを前提とした対策を強化する」と説明。

若年層向けの普及啓発や相談・治療体制の強化など、5つの基本方針のもと対策を推進するという。

なかでも総合拠点「OATIS(オーティス)」は、海外事例としてシンガポールの国家依存症管理サービス機構「NAMS」を参考に、独自の支援体制を構築。相談・支援と治療・研究をそれぞれ担う2つの拠点を開設し、相互に連携させる仕組みを整備していく予定だ(4月開設予定)。

吉村知事は、「IRが来たから依存症が減ったと言われるようにしたい。府内での依存症の実数値も把握し、それを起点に依存症を減らす効果的な対策を取りたい」と語った。

府は、1月31日からパブリックコメントで府民からの意見・提言を募集(2月29日まで)。その後、策定を予定している

取材・文・写真/岡田由佳子