「ガリガリ君」のコーンポタージュ味、「チロルチョコ」のカレーパン味、「コイケヤポテトチップス」のもも味、「わさビーフ」のわさび抜きビーフ&ビーフ味、「雪の宿」の塩すいか味・・・企業の暴走とも思える新フレーバーに「どうした?」と心配してしまうような衝撃的なものがこれまで多数あったが、今年も生まれてしまった。9月末、「UHA味覚糖」(本社:大阪市中央区)から発売されたスナック菓子「コロッケのまんま」(160円)だ。

見た目の斬新さと、「ほんまにコロッケのまんまやん!」な再現度の高さに、これはお菓子なのか、いや惣菜なのか・・・?と脳を錯乱させるほどの商品。あまりの「そのままぶり」に、口のなかに含んで復元させようとする者や、うどんやそばに入れてみたという者が現れ、ネットでは大盛り上がり。グミやキャンディで有名な「UHA味覚糖」が、なんでこんな攻めたスナック菓子を作ったのか? スナック菓子開発リーダーの佐藤喜哉さんに話を聞いてきました。

──「コロッケのまんま」はどういうきっかけで生まれたんですか?

スナック菓子市場の近年の傾向として、お菓子を食事代わりに食べる方が増えてきてますよね。それならば、いっそ食事として食べられるところまで持って行ったほうがおもしろいんじゃないの?という話になりまして、そこからです。

──確かに、仕事が忙しいときにご飯を食べる時間はないけど、お菓子だったら食べられるってこと、多いですもんね。それにデスクで実際のコロッケは食べづらいけど、これだったら食べられそう(笑)。

コロッケってそんなに日が持たないじゃないですか、食べたいときに買いに行かないといけないですけど、これだったら置いておいて、ちょっと食べたいなってときに食べられる手軽さがある。そこはやっぱり実際の食事ではできない、スナックならではかなと。

──場所・時間問わずにコロッケが食べられるってすごいですよね。コロッケを選んだ理由はそういう元々持つ手軽さですか?

それもありますし、ポテトチップスもそうですけど、じゃがいもってリピート性があるものだと思うんですよね。老若男女が好きでしょ。

──見た目ももちろんですけど、食べたときの衝撃が。「コロッケそのまんまやん!」っていう。1粒食べたあとの、満足感というか残り香がほんとにコロッケでした。この再現度、大変だっただろうなと思いますが。

サクサク感を出すのがなかなか難しかったですね。カチカチになってしまったり、すごく油っぽくなってしまったり。食感は実際のコロッケにより近づけたほうがいいのか、そのリアル感が難しくて。これやったら実際のコロッケ食べたほうがいいわってなる人もいますし、この食感やからスナック菓子と割り切れて好きっていう人もいますし・・・どっちに寄せるかは我々のこれからの課題ではありますね。

──確かに。発売してから反響はいかがですか?

まずはびっくりしたっていうのが一番多いですよね(笑)。お菓子のコーナーになんでコロッケやねん!って話題にしてくださって。パッケージはそれを意図して作ったらしいです。

──「クックドゥ」とか中華合わせ調味料と並んでいても違和感ないと思います(笑)。スナック菓子のコーナーに並んでるから認識しますけど、お菓子とは思えないですよね、パッと見は。

うちの会社としても、おかず系の商品ってほとんどないので、パッケージにこういったシズル感を出したものは作ったことがなくて。どういう風にしたら美味しそうに見えるかなと、そういった惣菜系のパッケージをいろいろ研究させていただきました。

30年ずっと変わらない、「素材そのまま」への追求

そもそも「Sozaiのまんま」シリーズとしては、「茸のまんま」が2014年に誕生(最初は中部エリア限定)。コンビニの商品改廃に合わせて、味わいポン酢、広東風海鮮、わさび、コンソメ、蒙古タンメン、バター醤油・・・など短いスパンでさまざまな味が発売されており、「茸のまんま」ファンとしても追いつかないほどだった。

──「茸のまんま」が評判良くて、コロッケなどほかの商品も挑戦してみようとなったと。

実は昔から「おさつどきっ」を発売していまして、30年近く作らせていただいてるんですけど、そのころから『素材を使う』というのはずっと一貫してやらせていただいてるんです。なかなか日の目を見る商品がなくて企画倒れしたものも多かったんですけど、そのなかでようやく久々に出たのが「茸のまんま」のうす塩味としょうゆ味だったんですね。しょうゆ味のほうが評判よくて、なんでかなって考えると、やっぱりきのこ焼いて食べたりするときはやっぱり醤油かけたりとか、実際の食経験に近いほうが受け入れやすいのかなと気付きまして。我々もそこに傾いていきました。

──ほんとに「茸」そのものの味がスナックになってますもんね。

きのこ苦手な人は全然ダメだったみたいですけど(笑)。そのまますぎて、苦手な人が食べて「スナックちゃうやん」と(笑)。そういう意味ではちょっとニッチなのかもしれないですね。

──こういった素材を使ったスナック菓子は、昔から一貫しているんですね。現在UHA味覚糖さんから発売されてるスナックのラインアップを見ると、「おさつどきっ」(3種)や「さつまんま」(2種)など・・・どちらもパッケージには「そのままの美味しさ」と表記されています。

UHA味覚糖としては「おさつどきっ」など、ずっとさつまいもメインでやってきていました。芋けんぴが固くて、もっとサクサクに軽い食感にできないかなというのがきっかけで「おさつどきっ」が生まれたんです。この頃から素材にこだわるっていうのがずっとありまして、大好きなんですね、「そのまま」っていうのが(笑)。

──「素材そのまま」というスタイルは、 「茸のまんま」や今回の「コロッケのまんま」のような商品でいきなり挑戦したわけでなく、その姿勢は30年前からまったく変わってない。変わらずに、今の現代人の生活スタイルに合わせた結果、こういう惣菜シリーズが生まれたということなんですね。

まさにそうです。我々は「コロッケ」とかいきなりぶっ飛んだことをしたわけではないんです(笑)。

──UHA味覚糖といえば、「ぷっちょ」や「e-maのど飴」「コロロ」などグミやキャンディのイメージがやっぱり強いですが、そのなかでのスナック菓子のあり方として意識していることはありますか?

なんでもそうですけど、やっぱり「今までと違うおもしろいもの」っていう付加価値を付けていかないと新商品は非常に難しいですよね。基本的にベースがあって、そこにシーズニングといわれる味付けをおこなって、風味が変わるっていうところがスナックの主だったと思うんですけど、我々はそうじゃなくて、「素材」というところにしっかりこだわって作っていくのが、今までのスナックと違っておもしろいんじゃないかなと。新しさも見出していけるんじゃないかなと、挑戦させてもらっています。

──ほか「海老焼売のまんま」「鶏肉とナッツ炒めのまんま」「野菜炒めのまんま」といった惣菜シリーズも続々発売されていますね。

海老焼売もコロッケとは考え方が同じで、1粒1粒で食べられて、みなさんが受け入れてくれそうなメジャーなものを選びました。ボツネタももちろんいっぱいありますよ。コロッケもいろんな味を試しましたし。素材をどうお菓子にできるかなど、これからの技術課題でもありますし、シリーズの新作も今後の楽しみということでお待ちいただけたらと思います。