室町時代後期に京都で創業した歴史ある和菓子店「とらや」が、パリ店40周年を記念した企画展を9月26日からスタート。京の伝統工芸の職人によるパリがテーマの作品を「虎屋 京都ギャラリー」(京都市上京区)で展示される。

今回の企画展『とらや パリ店40周年記念 京の伝統産業×Paris×Wagashi』では、「贈答」「ディスプレイ」「和菓子でもてなす空間」のコーナーに沿って、京都の伝統工芸を継承する若手職人19人が制作。とらやの和菓子を引き立たせる器や、和菓子のパッケージをイメージした作品など約60点そろう。

展示作品のジャンルは、京焼・清水焼や京漆器、京七宝など12分野。若手職人を束ねる団体「京の伝統産業わかば会」とのコラボで実現し、同会会長で木版画の摺師・森愛鐘さんは「職人の世界は狭いので、ふだん交流のない方々とコラボレーションする機会をいただけることは、私たちにとってとても新鮮な体験。創作活動にも刺激を受けました」と話す。

コロナ禍とあり、開催は危ぶまれたそうだが、極力密を避けるために作品の方向性を決める打ち合わせは最低限にとどめ、3カ月かけて制作。「テーマのなかで、自由に個性を発揮していただいた。職人の方々による斬新な発想や、繊細な仕事が活かされた作品ばかり。インパクトのあるビジュアルに目を奪われますが、よく見てみると細部に光る京都の伝統技術を感じられることでしょう」と、同店の文化事業課の相田文三さん。

併設する「虎屋菓寮 京都一条店」では、パリ店40周年記念で実現したパティスリー界を代表するブランドのひとつ「ピエール・エルメ・パリ」とコラボレーションしたメニューも。

ライチ・フランボワーズと組み合わせ、バラの香りが印象的な生菓子「イスパハン」2種(各600円税別)を11月1日まで提供。若手職人がイスパハンのために特別に制作した器と抹茶椀で京都の伝統技術を体感できる。

展覧会初日に、広島県から訪れた夫婦は「とらやとピエール・エルメ・パリが大好きで、企画展を開催していると聞いて来ました。生菓子『イスパハン』は、バラの香りが絶妙にお菓子と合っていておいしかったです。ギャラリーの作品もとても美しいですね」と堪能した様子だった。企画展は11月1日まで開催、10時〜17時まで。

またパリ店40周年記念商品として、ギャラリーから徒歩約1分の「とらや 京都一条店」をはじめ全国の店舗では、小形羊羹「イスパハン」(1本340円税別)や、カカオ珈琲羊羹「昼下がりのカフェ」(2000円税別)などの限定商品を販売している(なくなり次第販売終了、一部店舗除く)。

取材・文・写真/中河桃子