年初に館蔵の近代日本画展をおこなうことが定番となっている「西宮市大谷記念美術館」(兵庫県西宮市)。2021年は、神戸を拠点に活躍した抽象画家・奥田善巳の特別展示も同時に、2月20日より開催される。

元昭和電極社長をつとめた大谷竹次郎が、西宮市に自身の邸宅と美術作品を寄贈し、1972年に開館した同美術館。今回は所蔵品の基礎となる、大谷氏の近代日本画コレクションの成りたちに基づく展示で、開館後に収集してきた作品が対比的に紹介される。

コレクションからは、日本画作家の竹内栖鳳、山元春挙、上村松園、橋本関雪、横山大観、川合玉堂など錚々たる面々の作品のうち、約15点を展覧。開館後に収集してきた、入江波光、菱田春草、山下摩起、福田眉仙、下村良之介らからは、山下摩起の新収蔵品をはじめとする、約20点が見られる。

また、抽象画家・奥田善巳の没後10年を記念した特集展示については、代表作である抽象表現の油彩画など、1960年代から90年代の作品約30点を展示。抽象世界が織りなす色彩と筆致の力強さと、近代日本画の匂いたつような上品さの対比もまた、本展の醍醐味といえるだろう。期間は3月21日まで、料金は一般500円。 

文/小吹隆文(美術ライター)