2021年前半のブームとなりそうなスイーツ「マリトッツォ」。関西のベーカリー・パティスリー・カフェなどジャンル問わず、アレンジ系なども含めて2〜3月に急増している。

では、はたして「マリトッツォ」とはなにか? シンプル丸いパンに、生クリームをたっぷりサンドして、なだらかな断面が魅力のこのスイーツ・・・実は、イタリア・ローマ地方の伝統菓子だ。本場ではバールで朝食として親しまれ、カプチーノと合わせていただくのが定番となっているそう。

誕生のエピソードは諸説あるが、夫(イタリア語でマリート)が妻のために甘いパンを買いに行ったことから、「Maritozzo」という名前が付いたと言われている。古代ローマ時代ではパンに蜂蜜と干しブドウが入ったものだったそうだが、時とともに現在の姿になったのだそう。

日本でいち早くマリトッツォを紹介した京橋のパティスリー

そんなマリトッツォを、2014年に日本でいち早く作りはじめたのが京橋「パティスリー トルクーヘン」(大阪市城東区)。オーナーパティシエの岡本圭司さんが、コーヒーに合うスイーツを探しに、2013年にイタリアを視察したことがきっかけに。

「朝7時からにぎわっていたカフェが多く、テーブルにはカプチーノとマリトッツォ。立ったままサッと食べて仕事に行くのがイタリアのビジネスマンのスタイルでおもしろいなと。当時そのようなスイーツは日本では見当たらず、とても手軽で、お土産にも良さそう。日本のカフェタイムにぜひ広めたいと思いました」と帰国後に、試作を重ねたのだそう。

同店のマリトッツォは、バター100%にこだわった柔らかなブリオッシュ生地に北海道産の純生クリームをたっぷりサンド。甘みにはきび砂糖を採用し、生クリームのミルク感とやさしい甘みが特徴。1個430円〜。

味はプレーン、いちご、ピスタチオ、きなこ、チョコレート、抹茶、黒ごま、ティラミス、レモン、コーヒー&チョコチップなど、バリエーションが多いのも魅力。電話で予約を受付(1人3個まで)、当日分は数量限定販売となっている。

「マリトッツォがとても多くのお客さまに認知されて、とてもうれしく思います」と話す通り、年々人気が高まり、現在では11月分のお取り寄せ受付となっている。

さて、はたして関西にはほかにどんな「マリトッツォ」があるのか。調べていくと、日々「マリトッツォはじめました」の告知が増加。次からは、予約が必要なものや、共同でイベントをおこなう店などを一部紹介する。

予約しないと買えない「パンとエスプレッソと 南森町交差点」

「パンとエスプレッソと南森町交差点」(大阪市北区)では、2021年2月上旬からマリトッツォの販売をスタート。東京・原宿にあるイタリアンバールでマリトッツォを発見し、「これは流行る!」と、大阪では珍しかったことから即商品化することに。

こちらは、メイプルシロップ、メイプルシュガーを使用して作ったブリオッシュの生地が特徴で、クリームもこれ以上詰められないぐらいサンドしている。1個440円。

店長の春成さんは「他店と比べると、パンの生地がしっとりしていると思います。なかのクリームは、甘さ控えめ、ラム酒を少量加えることでリッチで軽めのエアリー。ありがたいことに連日問い合わせをいただいております」と話す。

行列を避けるため、オンラインストアで電子チケットを販売し、店頭での商品受け渡しとなっている。1人2個までで、連日完売するほど人気だ。

また、大阪にある姉妹店でも開始しており、靭公園の「パンとエスプレッソとUTSUBO FACTORY」では生クリームにキルシュを使ったマリトッツォを不定期で、土佐堀「フツウニフルウツ土佐堀パーラー」では「いちごのマリトッツォ」、本町の「和レ和レ和」ではあんこをサンドした「大福マリトッツォ」の数量限定が3月からはじまっている。

お店の個性を出しやすいのも、マリトッツォの魅力

変わり種では神戸・御影にある栗マロンかぼちゃの専門店「ズッカ ファイン ベジタブル&デリ」の姉妹店「スペシャルティ パンプキン ズッカ」(神戸市中央区)の「栗マロンかぼちゃのマリトッツォ」だ。

「今年はマリトッツォが人気ですよ」とお客さまの声から、人気商品のパンをアレンジして3月13日から販売。

「パンやトッピングなどで、お店の特徴も出しやすいのが魅力でした」と、最高級品種・栗マロンかぼちゃを使用したパンに、オレンジジュースをブレンドし、さらにオレンジピールも混ぜ込んだ生クリームをサンド。かぼちゃと相性の良いオレンジが爽やかに仕上げている。1個350円。

12時と15時に販売開始で、詳細に関してはインスタグラムで告知。こちらが早くも好評のため、3月26日から本店でも販売する予定。

期間限定イベントだからこそ、食べたくなる!

たい焼きとかき氷で有名な「大阪浪花家」(大阪市北区)、「cocoo cafe(コクウカフェ)」(大阪市西区)、「パティスリー ラヴィルリエ」(大阪市北区)と、「こおり屋bambu(バンブー)」(神戸市中央区)、4店舗の共同企画として「マリトッツォスタンプラリー」を3月上旬から開催している。

「大阪浪花家」は2月下旬からスタート。近隣の人気ベーカリー「ブーランジェリーSカガワ」で別注するパンに自家製の生クリームがポイント。自慢のあんこ、きなこクリーム、ラムレーズン、チョコシロップ、いちごからトッピングが選べる。ドリンクとセットで850円を、週末に数量限定で販売。

「氷屋バンブー」では、神戸の人気店「ベーカリーバカンス」に特注した小ぶりなパン生地に、たっぷりの生クリームに栗やデコポンなどをトッピングしたマリトッツォ2個800円を販売。土曜の10時〜12時に販売し、1名2セットまで。3月末までの限定販売。

「パティスリーラヴィルリエ」では、「みなさまが認識されているマリトッツォとは違うスタイルで、食べやすさを目指しました。飽きがこないように、手頃なサイズでクリームがあふれ出るワクワク感となるべく手が汚れないに。パンの食感も極力クリームと一緒に溶けていく固さを目指して、ドーナツのような食味ものせました」と服部シェフ。1日30個(1人2個まで)限定、350円(税別)。3月末までの限定販売。

「コクウカフェ」では事前にインスタグラムで告知し、席は予約制で提供。こちらはあえてサンドせずにパンの上に、球体のようにクリームをデコレーションしている。ドリンクとセットで800円。それぞれ随時更新される各店舗のインスタグラムでチェックを。

取材・文/いなだみほ