第2次大戦後のドイツで最も重要な美術家の1人、ヨーゼフ・ボイス(1921〜1986)と、彼の教え子であり30代で早逝した画家ブリンキー・パレルモ(1943〜1977)。2人の作品を紹介する展覧会『ボイス+パレルモ』が、「国立国際美術館」(大阪市北区)でおこなわれている。

雄弁で外向的だったと言われるボイスと、寡黙で内向的なパレルモ。一見、両者のベクトルは真逆だが、ボイスはパレルモのことを「自身に最も近い表現者」と評していた。布絵画に見られる脱・既成概念的な方向性や、現実の社会と直接リンクする壁画など、パレルモの作品姿勢に自身との共通性を見出していたのであろう。

ボイスは「拡張された芸術概念」「社会彫刻」「人は誰もが芸術家である」と言った言葉を残しており、アクション(パフォーマンス)などの活動を通して、社会変革を訴え続けた。本展では、そんな彼の1960〜70年代の作品を中心に約80点を展覧。7点の映像作品や初期のドローイング、また日本初お披露目となる、4mを超える柱と長い金属の杖で構成された彼の代表作『ユーラシアの杖』は圧巻ものだ。

一方教え子・パレルモの作品は、色面で構成されており、極めてシンプル。何をどう描くかよりも、色と形と空間の相互作用=絵画の構成要素自体に目を向けているのだ。既製品の布を組み合わせた「布絵画」や建築空間と一体化した「壁画」、小さなパネルを組み合わせた「金属絵画」など約50点が展示されている。

本展を通して、観客は考え込むことになるだろう。2人の作品を見る、比較する、思考する・・・。そのサイクルの中で解が得られるとは限らないが、「分からなさを楽しむ」のも現代美術の醍醐味だ。開催期間は2022年1月16日まで、一般1200円ほか。

取材・文/小吹隆文(美術ライター)