丸っとしたフォルムに、白の帯がトレードマークの「チョコッぺ」は、神戸では誰もが知っている名物パン。創業76年目を迎える神戸の老舗ベーカリー「ケルン」(神戸市東灘区)が手がけるもので、なんと1974年の初販時から味は一切変わっていないんだとか・・・。パンの街とも言われる神戸で暮らす人々の「お墨付きパン」、魅力は一体どこに?

■ 「チョコッぺ」巨大看板を作ってしまう程の・・・愛

現在、神戸市内に8店舗を構える「ケルン」は、御影や岡本、六甲といったファミリー色が強い地域に多い。そしてパンの種類は豊富で、どれも大っぷりなサイズであるのに、価格帯は100円〜300円程というお手頃なことも魅力のひとつで、朝の食卓やちょっとした手土産にも重宝されているお店だ。

そんな「ケルン」で長年看板商品として愛されているのが「チョコッぺ」。どの地域の店舗でも特等席に鎮座しており、大半の買い物客のトレーには「チョコッぺ」が乗せられている。

そして多くの人々が行き交う「三宮店」(神戸市中央区)では、高さ160cmの巨大看板までも作ってしまうほどで、それを見つけたお客さんは観光スポット感覚で写真撮影もしていくそう・・・。神戸人が溺愛する「チョコッぺ」について、改めて広報担当者を直撃し「一度も味を変えたことがない」という奇跡のパンについて取材してきた。

■シンプルなのに虜になる「チョコッぺ」の魅力

1974年の発売開始以来、48年間にわたり親しまれている同商品。常時店内には60〜70種のパンが並ぶという「ケルン」だが、そのなかでも「チョコッぺ」は群を抜く売上を誇り、これまでの売上総計は2000万本以上に上るんだとか(ちなみに「チョコッぺ」の由来は商品開発時に上がった「チョコッぺで!」の一声)。

シンプルな見た目なので、なかになにか特別なものが入っているのか? と思う人もいるかもしれないが、それはNO。キャビアもフォアグラも入っておらず、噛みごたえのあるソフトフランスでミルクチョコレートのクリームをサンドしただけのシンプルな作り。甘すぎずビターすぎない、ちょうど良いバランスのチョコの風味とパンの相性は抜群なのだ。

だが、その「チョコクリーム」、実は過去に原材料の都合で、配合を少し変えたことがあるんだそう。しかし、パンに関しては饒舌な神戸人。そんな変化にも即座に気付いた彼らから、「味が変わりましたか?」との問い合わせが後を絶たず、元に戻すことに。

味、フォルム、先代の社長の「こだわり」という白い帯・・・なにひとつ変わらずに、今の時代までやってきた「チョコッぺ」。帯に印字されたフォントもどこか懐かしい雰囲気を持ち合わせているため、SNSでは「可愛いロゴの紙で巻かれている」との声もあり、昨今のレトロブームにマッチするという意外な展開もおもしろい。

■ 冷凍して食べるのが、ツウな食べ方!?

価格は時期によって変動するが現在は216円。崩れにくい形もあいまって、職場への差し入れとしても喜ばれるといい、「まとめ買いされるお客さまが多いですね。男性の方がたくさん買っていかれるということもあります」と担当者。記者が訪れた日はお盆の始まりだったため、スーツケースを持った人々が、お土産用に「チョコッぺ」を幾つか購入する姿を見ることができた。

そして「そのまま食べること」がデフォルトかと思いきや、担当者は「ツウな食べ方もあるんです」と2種類の食べ方を教えてくれた。従来はもっちりハード食感の同商品が、サクサクになる方法は必見だ。

ひとつめは「自然解凍」で、あえて最初から冷凍庫で凍らせて、食べる4〜5時間前から外に出して柔らかくなるのを待つそうで、もうひとつは「リベイク」。なかのクリームがやわらかくとろける程度にトースターで2〜3分焼いてみると、サクサク食感に生まれ変わるそうだ。

最後に改めて「チョコッぺ」の魅力について尋ねてみると「3世代から愛される商品だと思います。巨大看板も設置したことですし、今後もたくさんの人に親しんでもらえるとうれしいですね」と、期待の声で締めくくった。

8月6日に移転オープンしたばかりの「ケルン 三宮店」は、阪急三宮駅から徒歩1分ほど。大きな「チョコッぺ」看板が目印。営業時間は朝9時〜夜10時。