へそだし、ミニスカート、ルーズソックス・・・2000年代初頭に流行したギャルファッション。現在、「Year2000」のそれぞれの頭文字をとって「Y2K(K=1000の単位を表すもの)ファッション」と呼ばれ、主に10〜20代女子から新たなファッションカテゴリーとして注目を集めている。

1993年に京都に初出店して以来、新品から古着まで幅広いアイテムを展開するアパレルブランド「スピンズ」も現在、古着とのミックスコラボや、2000年代初頭を代表するギャルブランド『LOVEBOAT』とのコラボ商品などを展開。「Y2Kファッション」の盛り上がりや東西の違いについて、同ブランドのバイヤーを務める「ヒューマンフォーラム」(本社:京都市中京区)の辻 彩奈さんに話を訊いた。

■ 関西の「Y2K」は、やっぱり派手なアニマル柄?

──古着系が多い『スピンズ』にギャルファッションアイテムが並んでいる光景が新鮮です。そもそも「Y2Kファッション」が誕生した理由は何だったのでしょうか?

元々、Y2Kは東京を中心とした関東のギャルから流行り出したファッションです。アイテムとしては、2021年の冬ぐらいから両脇ジップのカーディガンや、猫耳キャップが流行り出したのが初めだと思いますね。実はY2Kと一緒に、ヤマンバメイク(90年代に出現した、真っ黒に焼けた肌に施した奇抜なメイク)や懐メロなどもTikTokといったSNSで流行しはじめているので、レトロブームの一種として盛り上がったのかなと思います。

──「#ギャル超かわいい」という言葉が流行したり、ルーズソックスなど懐かしいアイテムもよくSNSで見かけます。今の10代からすると、平成ギャルは「レトロ」なんですね・・・。
 
あとは、実際「スピンズ」のスタッフにもいるのですが、2000年代当初にギャルファッションを楽しんでいた方が現在お母さんになって、その子どもたちがお母さんの影響を受けていることもあるみたいです。「平成のリバイバル」という感覚で楽しまれている人も多いですよ。
 
──関西と関東のY2Kファッションの違いってあるんですか?

強いて言うなら、渋谷は平成ギャルの発祥の地なので、へそだしなど露出や奇抜さを打ち出した「THE ギャル」というようなものを中心に取り入れています。一方で、関西は色味や柄などの「要素」がポイントになっていると思います。豹柄などの派手な色味は、特に関西でのY2Kファッションに多く見られますね。

──秋冬コーデとして、豹柄ファーのベストやショルダーバッグなどが現在、店頭に並んでいますよね。
 
はい。ただ関東と関西で共通して言えるのは、「可愛いさ」と「物珍しさ」で購入される方が多いです。年々SNSの影響もあって、人と被ったファッションをしたくない若者が増えており、個性的なアイテム1つを取り入れることでそれぞれ個性を出してるようです。

■ 冬はベロアやラメ素材が来る予感!?

──「スピンズ」といえば古着のイメージですが、古着とミックスしたY2Kファッションはどういったスタイルなのか気になります。

古着のリメイクとしては『ハーレーダビッドソン』のピタッとしたカットソーもY2Kで人気。短いデニムスカートにピタッとした感じが好評です。そのピタッとした感じで露出のあるファッションが、まさに「Y2Kファッション」です。

──特に夏はお腹見せやミニ丈など、Tシャツの着こなしも特徴的でしたよね。
 
あとは「スピンズ」ならではで言うと、「シルエット」をとても大切にしています。ファッションショーに声をかけていただくことも多々あるんですが、スタイリングも「シルエット重視」にして打ち出していることが多いです。

Y2Kは大きく分けると「古着」と「ギャル」に分かれており、「スピンズ」としてはもちろん古着にも力は入れているんですが、Y2Kではギャル要素を重視していて。なのでルーズな感じは取り入れず、シルエット感を出すためにタイト目なアイテムを大切にしています。

──シルエットが重要なんですね。
 
今年の夏は暑かったこともあり、へそだしや、ローライズのデニムを履いて腰を見せるような「肌見せ」が主流になっていました。ただ、Y2Kのスタイリングは季節的に寒くなるので、これから多少は減るのかなと思いますが・・・。一方で、ベロアやラメなどの素材を生かしたものやアイテム重視でまた変わった形で伸びる予感はあります!

──お店でも、ベロア生地のショート丈パーカーやファーのクロックスを見ているお客さんがいました。冬に向けて人気が出そうですね。
 
そのほか、2000年代に流行したギャルブランド『LOVEBOAT』のポーチや、Y2Kで再ブームのキティちゃんのヘアゴムといったアイテムも人気です。なかには、お母さんとお揃いでキティちゃんグッズを持っている小さいお子さんもみかけたりして微笑ましいです。
 
──Y2Kファッションってまさに「THE ギャル」な印象なのですが、ギャルじゃなくても取り入れることはできますかね・・・。

Y2Kアイテムとして、ギャルの必須アイテム「アームウォーマー」がかなり流行っているんですが、白色のアームウォーマーをギャル以外のお客さんが購入されている印象があります。ギャルじゃなくてもその要素を取り入れられるのがY2Kのいいところかなと。

──Y2Kの次に「きそう」だなと思うファッションはありますか?

2000年代の時代の流れと同じで言うと「ロックテイスト」でしょうか。2000年代にもギャルブームのあと、漫画『NANA』の影響でロックテイストのファッションが流行しました。猫耳のついた帽子なんかもロックテイストの影響が少なからずあるかと思います。
 
ただし、SNSの影響で年々トレンドがかなり早くなっているので、どうなるかは私も楽しみにしています。Y2Kは「自分の好きなものを着よう!」というコーディネートです。それぞれ古着やギャルなどの派閥があって、それがまさに個性ですよね。今後もそのようなファッションブームが新たに誕生するといいなと思います。

取材・文・写真/弘松メイ