元小学校が生まれ変わった京都のホテル「ザ・ホテル青龍 京都清水」(京都市東山区)に、ラグジュアリーなコース仕立ての「キュウショク」があるのをご存じだろうか。元学び舎ならではのネーミングだが、「給食」ではなく、9つのセクションから構成されるコース仕立てのため「九食」と謳っている。

■ 給食を「大人のコース料理」に昇華

清水寺まで徒歩8分、館内からは法観寺・八坂の塔を目の前に臨むことのできる観光に恵まれたロケーションにある「ザ・ホテル青龍 京都清水」。昭和8年に建てられた小学校が2020年、できるかぎり当時の意匠を継承したままホテルへと変身を遂げ、館内には随所に当時の面影が残っている。

そんなホテルで、2023年5月に「和洋折衷」や「地産地消」、そして旬のものをたくさん取り入れるといった「学校給食」からインスパイアされた「九食」(2万1000円)がスタートした。なかには3時間かけてじっくり味わう人もいるほどボリュームのあるコース仕立てとなっており、1000冊もの本が並ぶ図書室のような美しいレストランでいただける。

■ 新メニューは「秋の食材」のオンパレード

9月からは「秋のふきよせ」をテーマに、新メニューがスタート。銀杏やさつまいも、名残鱧などを使った料理に、柿、栗、巨峰といった旬のもの、そして九条葱、湯葉、京丹波大黒本しめじ、子持ち鮎といった「京都の秋食材」をふんだんに楽しめる内容となっている。

また、ラグジュアリーホテルらしい華やかなメニューも。雲丹がのった「スターター」に、松茸や鱧の「土瓶蒸し」や、京都ならではの湯葉料理「東寺揚げ」が続く。後半には、じっくり調理した柔らかな「国産牛の塩こうじマリネ」や、可愛らしい「彩り寿司」といった多彩なバリエーション。

なにより、ビジュアルが印象に残るのは「和前菜」。京都の北山杉で作られた3段の木枠を、6つの小鉢が彩っている。ホテルのアイコンである大階段の秋の姿を再現しているそうだ。「九食」は、食事だけでなくビジュアルを通して、ホテルの前衛となった小学校との繋がりを魅せている。

■ 料理だけじゃない…隠れた「遊び心」も楽しむ

そのほか、コース中に登場する、同ホテルのために制作された京都の窯元「蘇嶐窯(そりゅうがま)」には、ホテルのあるモチーフが描かれているなど、遊び心も満載。そんな隠れたストーリーも、ホテルのスタッフに聞きながら楽しんでほしい。

担当者の田中悦子さんは、「旬の食材や、地元で採れた食材を取り入れるなど、給食には子どもたちだけではなく大人にとっても大切な要素が詰まっています。また、器にもこだわっているので、目でも味わっていただきたいです」と語る。

給食の秋メニューは11月30日までとなっている。1日3組、宿泊者限定。詳細は公式サイトにて。

取材・文・写真/其田雪花