13日東京高裁が袴田事件の再審開始を認める決定を出し、袴田巌さんを支援する国会議員などから特別抗告を断念するよう求める声が上がっています。

伊地健治アナウンサー:
「再審開始!再審です! 東京高裁は袴田事件の 再審開始を認めました」

1966年、旧清水市で一家4人を殺害したとして死刑が確定し、無実を訴える袴田巌さんについて、13日東京高裁は、裁判のやり直しを認める決定を出しました。

一夜明け、国会では決定についての報告集会が行われ、袴田さんの姉ひで子さんや「袴田巌死刑囚救援議員連盟」の会長、塩谷立衆議院議員らが、検察側に特別抗告しないよう求めました。

袴田巌死刑囚救援議員連盟 塩谷立会長(衆議院議員):
「検察側から特別抗告がないと思うが、再審の中で無罪を獲得するまで皆さんとともにしっかり頑張っていきたいと思うので、今後ともよろしくお願いします」
姉・ひで子さん:
「せっかくこれで再審開始になったから、もうひと踏ん張り頑張っていこうと思っております。どうぞ皆さま長い裁判になりますが、今後とも どうぞよろしくお願いします」

東京高検が期限の20日までに特別抗告をすれば、再審を開始するかどうかは再び最高裁で審理されることになります。

特別抗告しなければ、静岡地裁で裁判がやり直されます。

こうした中、弁護団は東京高検に特別抗告を断念するよう求める申し入れ書を提出し、静岡県弁護士会は同様の声明文を公表しています。

再審法改正を求める声明

また、映画監督の周防正行さんらは午後会見を行い、刑事訴訟法の再審に関する条文いわゆる再審法について、改正を求める声明を出しました。

再審法改正を目指す市民の会 周防正行さん:
「再審というものについて、なかなか検察官も裁判官も弁護士も、それを経験する場がほとんどない中で、手探りでやっていかなければいけない。きちんとルールとして決めてあげないと、法曹三者は自分たちの力を発揮して、公正な裁判を進めることができない」

「うんといいことがあった」

そして、つい先ほど袴田ひで子さんが巌さんの待つ浜松の自宅に戻りました。

ひで子さん:
「巌に報告しようと 思います。きょうは再審開始になったとは言わずにうんといいことあったというつもりで私はいます」