土石流災害の原因などを調査している静岡県熱海市議会百条委員会で、土石流の起点となった盛り土の前と現在の土地所有者が初めて公の場で証言しました。

前の土地所有者「私の責任に押し付けようとしている人のかたまり」

前の土地所有者:「事実を伝えに行きたい。あまりにうそを言っている人が、私の責任に押し付けようとしている人の塊。私が真実を述べてどこまで伝わるのか複雑」

12日午後、百条委員会に証人として呼ばれた前の土地所有者。カメラにこう語り、会場に入りました。去年7月の土石流災害の原因などを調査している百条委員会は、11日に引き続き証言拒否などをすると罰則が適用される証人尋問を行いました。12日は、土石流の起点とされる盛り土の、前と現在の土地所有者が初めて証言しました。

現在の土地所有者「市から指摘はなかった」

北川彩アナウンサー:「午後1時になりました。現在の土地所有者の証人尋問が始まり、報道陣はあちらの控室で傍聴しています」

先に証言に立ったのは 現在の土地所有者でした。

百条委員会委員:「土地の購入時、盛り土は条例に違反して15メートルをはるかに超えていたことは承知されていましたか」
現在の土地所有者「しておりません」
委員:「盛り土の崩壊を防ぐ工事を、なぜされなかったのですか」
現在の土地所有者:「盛り土があったこと、それについて何かしなければならないという認識が私にはありませんでした。現地に行ったこともありませんし、確認したこともありませんので、誠に恥ずかしながらこれが現実です」
委員:「熱海市から盛り土の危険性を指摘されたり、指導されたりしましたか」
現在の土地所有者:「本件について、具体的にはなかったと思います」
委員:「27人が亡くなりました。この責任は誰にあると思いますか」
現在の土地所有者:「私、きょう最後にお亡くなりになった方に極めて残念なことになってしまってと、お声掛けを申し上げたいと思っておりました」

証言の後、現在の土地所有者の代理人弁護士が取材に応じました。
河合弘之弁護士:「(現所有者が)土地を取得した時に、土石流崩落開始地に盛り土があるなんてことは知らなかった。そこが起点かもしれないということも知らなかったということがはっきりした」「(現所有者は)盛り土についての責任は全くないと思います」「百条委員会の中で、市や県の行政手続き上の過誤欠落・怠慢等が次々と明らかになっていっていることは、百条委員会の功績として評価をしたい」

前の土地所有者は「検証せずに許可したのなら行政の責任」

続いて午後3時から、前の土地所有者が証言しました。

百条委員会 委員:「盛り土の高さから、崩壊の危険性は認識できたと思いますが、いかがですか」
前の土地所有者:「本件の土地については、元々は安定しています。そこに是正を行っているので、危険性についてもあり得ません。10年間の安定がそれを証明しています」

また、崩落した土地については、名義を貸しただけだと主張しました。さらに受け入れ可能な量を大幅に超える土砂が搬入されたことについて聞かれると「行政は検証して、適正か判断して許可をすることが職務。検証しないで許可したのなら、これは反対に行政の責任問題。会社としてはいい迷惑な話」と述べ、終始、責任は行政側にあるとの 姿勢を崩しませんでした。

百条委員会の委員長「真実が分からない」

百条委員会
稲村千尋委員長:「みなさんの言っていることがそれぞれ噛み合わず、被災者の方には大変申し訳なかったが、きょうの参考人と証人尋問では真実が分からない。そういう百条委員会になってしまった」