懐かしい駄菓子の数々。ここにも値上げの波が…。

商品全体の約3割が値上がり

あまのや繁田商店
繁田昌大社長:「全体でだいたい1000アイテムぐらいのうち3割ぐらい。300アイテムぐらいがすでに値段が上がっている。またこれから上がっていく感じになる」

静岡市葵区の駄菓子店「あまのや 繁田商店」。一般客はもちろん、小売店も仕入れのために訪れるという人気店です。ひとつひとつの商品の値段こそ大きくはありませんが、数円から数十円単位で値上げしていて、特にガソリン価格の上昇に伴う、輸送費の影響が大きいといいます。

あまのや繁田商店
繁田昌大社長:「とにかく駄菓子は(輸送費が)めちゃめちゃかかる。同じトラックを走らせるのも(単価)10円のものを走らせても100円・1000円のものを走らせても、ガソリン代は同じですから。ということは、この10円・20円にかかる1個あたりの配送費が他の商品よりもよっぽど割合としては多くなってしまう」

ガソリン価格の高騰を背景に、数年前から徐々に起きていたという駄菓子の値上がり。今年、その動きが一気に拡大した象徴的な出来事がありました。それが…。

42年間価格据え置きだった『駄菓子界のスター』が…

松田和佳アナウンサー:「こちらのうまい棒が値上がりしたことをきっかけに、多くの駄菓子が値上がりしているといいます」

駄菓子界のスター、「うまい棒」の値上げです。製造・販売元の「やおきん」は今年4月、「うまい棒」を10円から12円に値上げ。42年間一度も値上げをしなかった「うまい棒」がついに値上げに踏み切ったことで、他の駄菓子も値上げしやすくなったのではないか…、というのです。

あまのや繁田商店
繁田昌大社長:「やっぱり一番有名な駄菓子であるうまい棒だけは(値段を)上げずに来ていたので、他も上げづらかったというところはある。それが今回、うまい棒が値上げになったので、もう堰を切ったように、全ての商品がここぞとばかりに上げてきているというような状況。(うまい棒は)プライスリーダーってやつですね」

値上げの波は至るところに…。この日、夏祭りの景品用に駄菓子を買いに来たという幼稚園の先生は…。

幼稚園教師:「私の幼稚園では、子どもたちが本当のお金を持って自分で選んで購入する経験を取り入れていて、いつも買えていた分のお菓子が今回ちょっと少ないね、みたいなことにもなったりとか、そこはちょっとかわいそうかな、なんて思いながら、でもしょうがないですよね」

幼稚園教師:「子どもたちが買う数も少なくなってくるし、これからきっと、もっとどんどん物価も上がってくるかと思うので、難しいなと思います」

お手頃で子どもにも購入しやすい価格が魅力的な駄菓子ですが、その分、数多く販売しなければ利益が出づらいのも特徴。メーカーが価格を上げても販売数を維持できれば店の経営にはプラスになりますが、お客に対しての申し訳なさも感じると、胸中は複雑です。

あまのや繁田商店
繁田昌大社長:「(駄菓子は)とにかく単価が安い。他の世の中、全ての商品が値上がっているのに、駄菓子だけ値上げしないっていうのであれば、自分の生活ばかりが厳しくなってしまうので、そこは単価が上がってきたら、その分、利益も上がってくるということで、仕方がない部分と寂しい部分もありながらという感じです」

8月も続く値上げラッシュ

まもなく8月。値上げの夏は続きます。帝国データバンクによる主要食品メーカー105社を対象にした調査では、来月からおよそ2600品目の値上げが予定されています。

静岡市にある、こちらの弁当店でも…。

ひるめしや
藤原康洋社長:「だいたい1食10円から30円くらい、お客さまの理解をいただいて上げさせていただきました」

こちらでは、一日に1000食以上の弁当を製造。最初に値上げしたのは4月、その時は10円から30円ほど値上げしました。しかし、その後も原材料費や揚げ物に使う油の価格高騰に歯止めはかからず、今月に入ってからさらに10円程度、やむなく値上げしたといいます。

ひるめしや
藤原康洋社長:「肉や魚、この辺の主流がやっぱり厳しい。肉はどんどん上がるもんですから。かといって、それと同じだけ値段を上げることができないものですから。少し(弁当に入れる)お肉を削らせていただいた。(揚げ物用油は)今年の1月2月ぐらいに一斗缶が2400円ぐらいだった。今5500円ぐらい。およそ倍になった」

大幅な値上げを避けようと、内容量を減らして価格を据え置く“実質値上げ”という苦渋の対応も…。

ガソリン価格高騰がボディーブローに…

「ひるめしや」の営業スタイルは、車での配達や場所を借りての対面販売。そのため、影響を避けられないのが、ガソリン価格の高騰です。

ひるめしや
藤原康洋社長:(Q:ガソリン価格の高騰は厳しいですか?)「厳しいです。やっぱり効きますよね。ボディーブローのように効いてきますけどね」

現在稼働している車は8台。ガソリン価格のわずかな上昇も、店にとっては大きな痛手です。

ひるめしや
藤原康洋社長:「従来お世話になっていたガソリンスタンドには時々目をつぶってもらって、市内の安いところへ。従業員にはそうやって指示を出して。そこまで厳しくなってきちゃったと理解していただきたい」

お弁当を買う人たちからは「値上げもやむなし」との声が…。

利用客:「日々のお弁当だから、ちょっと上がると厳しいなとは感じる。ある程度は仕方ないのかなと思っている」
「仕方がないのかなと思っていて、多少値上がりしても買わせていただくかと思う」

ひるめしや
藤原康洋社長:「今後はお客様にすぐとは言わないけど、サービス券とかで少しずつお返ししていこうかなと。味は落とさない。量も落とさず、ちょっと夢かも知れないんですけども、頑張って取り組んでいきたいなと思っています。忘れられないような弁当屋になりたいと思う」