子どもたちの学習を支援する寺子屋が3月、静岡県藤枝市にオープンしました。高校生が中心となって運営する新たな形の寺子屋として注目されています。

今年3月、藤枝市の蓮華寺池公園沿いにオープンした「寺子屋あすは」。続々と集まってきたのは、学校を終えた小学生です。ここを運営するのは、おととし大学生が中心となり設立されたボランティア団体「Cafe de 寺子屋」。毎週金曜日、閉店後のカフェを借りて無料で子どもたちに勉強を教えています。子どもたちの学習を支援する寺子屋は県内でも様々な団体が運営していて、関わっているのはほとんどが社会人か大学生です。

しかし、ここでは…

高校生:「じゃあ、午後1時45分書いてみようか。うん、大体いいね。そしたらどっちの針を戻す? そうだね2時間分回してみると…」

小3男の子:「前だから…」

高校生:「そうそう! 前だとそっち側だね」

高校生中心のメリットは

教えているのは地元の高校生。これまでは大学生のスタッフが通いやすい大学に近い場所で寺子屋を開いていましたが、大学は限られた場所にしかないため、需要に応えられないという課題がありました。

一方、高校は大学よりも数が多く、高校生をスタッフとして取り込むことで、学びの場を増やす狙いがあります。

Cafe de 寺子屋 樫本和音さん(大学生):「高校生が寺子屋で活躍出来るというのが分かってきたので、ちょっと全国展開に未来が見えてきた」

子どもたちはどの教科をしても構いません。

5年生の男の子:「すごく楽しいです。わからないところがあったら教えてくれるからです」

3年生の男の子:「家では騒がしいから、こっちの方が静かでやれるから、こっちでやりたいなって」

苦手を克服したという子も…。

4年生の女の子:「計算の割り算の筆算ができるようになった」

水野胡幸さん(高校3年):「教えた子たちが『わかった』とか『そうやって考えるんだ』とか言ってくれるとすごくうれしくて、それが良いですね」

小川菜実さん(高校1年):「将来の夢も保育士とか看護師に興味を持っているので、役立つかなという、これからの経験に生かせると思って(参加した)」

「高校生の方が距離が近い」

先生を務める高校生は現在7人。団体が開く寺子屋は全国7都府県に13ヵ所。県内には4ヵ所ありますが、高校生スタッフが中心となって教えるのはここだけです。

Cafe de 寺子屋 樫本和音さん:「高校生は、小学生の単位で言うと算数、国語、理科、社会って学んでいて、大学生はもう専門的な。それ以外のことを学ぶので、そういった意味で心の距離は近いというか。より近い存在で学び合っているという感覚が強い場所にはなっているのかなと思います」

子どもたちが帰ったあとは反省会です。

Cafe de 寺子屋 樫本和音さん:「個人の反省行きたいと思います。誰から行きますか!」

高校1年生:「1人の子に教えていると、ほかの子に背を向けがちになってしまうので、そこを気を付けていきたいなと思います」

高校3年生:「これ よくやってるんだけど、その子がわからなかったところをちょっと時間あるから、問題作るから、苦手なところやるかって一緒にやるんだけど、きょうもそれやって一緒に考えてやれたのは良かったなと思います」

指導に慣れない高校生が、いつでも振り返ることが出来るように、気付いたことなどをノートに書き留めました。

水野胡幸さん(高校3年):「自分より知識も語彙もまだ知らない子たちの、わからないところを、わかった!にしないといけないので、その子に合わせて使う言葉とか表現を工夫していかなきゃいけないというのは、やっていくうえでその子たちから教えられたと思う」

小川菜実さん(高校1年):「説明するのがあまり上手な方じゃないが、説明する前にちゃんと自分のなかで文章をまとめて教えるというのが、すごく力になってきているなというのがある」

Cafe de 寺子屋 樫本和音さん:「周りと一緒に考えるというのは、コロナ禍でひとりで学習するとなった時はできないことなので、一人じゃなくてみんなで考えることができるみたいな。それができる場所になってほしいなと思います」

子どもたちと高校生が互いに学び合える空間。新たな寺子屋の形が注目されています。