審理は最大の争点「5点の衣類」に入っていきました。
袴田事件の3回目の再審公判が、静岡地裁で開かれました。弁護団が「捜査機関がねつ造したもの」と訴える血染めの「5点の衣類」について検察は「ねつ造は非現実的」として袴田さんの犯行着衣だと主張しました。

1966年に旧清水市でみそ会社専務一家4人が殺害された事件で、袴田巌さんの死刑が一度は確定しています。

 10月27日に始まった袴田事件の「やり直し裁判」。

 20日静岡地裁で開かれた3回目の再審公判からは、この事件で袴田さんの犯行の可否をめぐって最も重要だとされる“証拠”の審理が始まりました。

 それが・・・

 最大の争点“5点の衣類”

Qきょうは検察側が“5点の衣類”について話すが?

袴田さんの姉 袴田ひで子さん(90):
「まあ聞いてるしかない。反論の時にはおもしろいが、裁判と言えばこういうものでしょう、きっと。何時間かかるか知らないが、長々やると思う。“5点の衣類”肝心なものですから慎重に聞いております」

5点の衣類

 事件発生から1年2カ月後に、みそタンクの中から見つかった血染めの着衣。
 
 これが、いわゆる“5点の衣類”です。

 検察側はこの“5点の衣類”を袴田さんの犯行着衣とする一方で、弁護側はこれが捜査機関によって「ねつ造」されたものだと主張しています。

 さらに・・・

伊地健治アナウンサー(3月・東京高裁)
「再審開始です」

 今年3月に東京高裁が「裁判のやり直し」を決定した際にも
裁判所はこの5点の衣類について「捜査機関がねつ造した可能性が“極めて高い”」としています。

 犯行着衣を巡っては、検察の主張も変化してきました。

 検察は事件発生当初、袴田さんの犯行着衣は部屋から押収した「パジャマ」としていました。

 それが、1年2カ月経って工場のみそタンクから「5点の衣類」が見つかると裁判の途中からこの「5点の衣類」を“犯行着衣”と主張し始めたのです。

 最大の争点とされる「5点の衣類」が扱われる再審公判。

 静岡地裁へ向かう前、姉のひで子さんがきょうの巖さんの様子について語りました。

袴田さんの姉 袴田ひで子さん(90):
「今ちょうど(巌を)起こした。『静岡行ってくるでね』と言って。黙っていくわけにもいかないので/うすうすわかっていると思う、多分。何か言うわけじゃないけど」

 午前10時半ごろ、弁護団と共に静岡地裁に入るひで子さん。

 その後、午前11時から3回目の再審公判が始まりました。

20日の袴田巌さん

検察の冒頭陳述

林輝彦アナウンサー 午前11時すぎ:
「検察側が5点の衣類について、袴田巌さんの犯行着衣であると主張したとき、姉のひで子さんは検察側が配布した資料に目を落とし一点を見つめていました」

 今回のやり直し裁判で、最大の争点とされている「5点の衣類」
 20日の冒頭陳述で検察側は・・・

検察側の冒頭陳述:
「5点の衣類は被告人が犯行時に着用し隠匿したもの。
みそタンクの中に隠してある状態で誰も気づけなかった」

 検察側は5点の衣類が、袴田さんが所有していた衣類と酷似する点や着用実験の際には履けなかったズボンを、事件当時なら履くことが可能だったという点などから、改めて5点の衣類は「袴田さんの犯行着衣である」と主張しました。

 さらに・・・

検察側の冒頭陳述:
「弁護側は捜査機関が5点の衣類を用意したと主張するが、それには被告人の衣類の特徴を把握し、特徴に合う5点の衣類を用意しないといけない。これらを用意するのは著しく困難。被告人が持っていた衣類も処分しないといけない。捜査機関がリスクを冒してねつ造を行ったといのは非現実的。用意しようとするなら従業員らから被告人の衣類の特徴を詳細に聴取する必要があるが、詳細な聴取を行った形跡はない」

 5点の衣類は“捜査機関による証拠のねつ造”という弁護団の主張。

 これに対して検察は、「ねつ造としてはあまりに大規模で、
発覚するリスクも高い」と述べ、「非現実的」だと否定しました。

検察の冒頭陳述