リニア新幹線工事をめぐり、担当する国土交通省の幹部職員が7日、静岡県の川勝平太知事と会談しました。国は水資源などへの影響を確認する新たな体制を準備していると明らかにしました。

鉄道局長「新たな体制」を準備

久須美舞記者:「午後2時です。鉄道局長が静岡県庁を訪れました。これから知事と面会します」

静岡県 川勝知事「どうぞ。ようこそお越しいただきました」

国交省 村田茂樹鉄道局長「よろしくお願いいたします」

 午後2時から川勝知事と面会したのは、国土交通省鉄道局の村田茂樹鉄道局長。この先の展開が見えにくくなってきているリニア新幹線工事に関する問題について、直接、川勝知事と対話をしました。

国交省 村田茂樹鉄道局長:「国土交通省としては、この報告書を踏まえた対策が、着実に実行されていくことが大事であると考えていて、これが進められていることについて、前の水資源の問題、環境保全の両分野について総合的な視点で継続的に確認する新たな体制を準備している」

川勝知事「お〜」

村田鉄道局長「引き続き国としても、リニアのプロジェクトに関与していきたいと考えていて、県におかれましても、この報告書を踏まえて、JR東海との対話を進めていただきたいと思っていて、リニアプロジェクトの推進にご理解とご協力をお願いさせていただきたいと思ってまいった次第でございます」

川勝知事「新しい体制を立ち上げると、大変興味深い話でこの辺りを少し聞きたい」

村田茂樹鉄道局長(右)と川勝知事

静岡県 2019年にJR東海に47項目の『懸念』示す

 JR東海が2027年“以降”に品川―名古屋間で開業を見込んでいるリニア中央新幹線。

川勝知事(去年12月):「本県の基本姿勢は、リニア中央新幹線の整備促進と大井川の水資源及び南アルプスの自然環境への影響の回避低減を図ることであります」

静岡県30項目は『未解決』 国交省「47項目は丁寧に議論された」

 5日には…。

静岡県 森貴志副知事(5日):「47項目の評価としてこのような数字を出した。生物とトンネルはゼロとなっているが、これは対話をしている最中であり、その対話の中でもちろん進捗はある。ただ一応終了したものがない」

 県の認識として、これまでに解決したのは水問題の一部のみで、国の有識者会議で結論が出た環境問題など30項目は未解決と表明したのです。

進捗状況を説明する森副知事

面会は予定時間を大幅にオーバー

 そんな中、面会した川勝知事と国土交通省の村田鉄道局長。当初、面会時間は30分を予定していましたが、最終的に1時間を超えていました。

 一体、何が話し合われたのでしょうか。

国交省 村田茂樹鉄道局長:「順応的管理に従って、事前・事後のモニタリングが非常に重要であること。そういったものを実際にJR東海に実行してもらうということ。そういったことのために、新しくそういったものを確認するような体制作りも今検討しているという話をした」

 国交省の村田鉄道局長は、JR東海が行う水資源・環境保全の両分野のモニタリングを確認する新しい体制づくりに取り組むとしました。

 一方で、川勝知事が不十分とした報告書については…

国交省 村田茂樹鉄道局長:「いずれにしても、基本的な論点あるいは対策については、報告書の中で現時点において取りうるものは全部取り上げて対策も明示しているものと考えている」

国交省 村田茂樹鉄道局長

川勝知事「進展させないといけない」

 国交省は有識者会議でまとまった水問題や環境問題について、対策はJR東海がするものの、国としても有識者に集まってもらいモニタリングをしていくことを明らかにしました。これについて川勝知事は…。

静岡県 川勝平太知事:「委員会のメンバーが明らかになってくると性格が見えてくる。どういう方が座長を務めるのかもある。工事の進捗について第三者的なモニタリングをするということは、大変重要であると思った。特に車両基地の問題がある。2027年までに神奈川に造る車両基地はできるとJR東海が言っているが、それも本当にできるかどうかも分からない。こうしたこともモニタリングしていただくには、第三者がそれなりの権限を持ってやるのがいいと」

Q.神奈川の車両基地の確認もすると村田局長が言った?
A.「いいえ、私が申し上げて関心があることなので、2027年までにできるかどうかということもある」

Q.国交省は47項目について、議論すべき論点はもうないと言っているが?
A.「今、どういう課題があるか、一部の対策も論じられているが、課題を言っただけで、データが不十分と報告書に記入されている。我々はまだ検討されていない30項目について、これからやっていく、という認識は共有している」

Q.何年もかけてやるつもりはない?
A.「今のところは(開業時期が)2027年以降ということだから、可及的速やかにやらなければいけないが、遅らせるつもりは全くない。先生方も疑念点をなるべく正確に把握して、それを皆さんと共有する、ということで、うちの専門部会でも共有しているから、そういうスピード感を失ったことはない」

Q.少しは進展するのでしょうか?
A.「これは進展させないといけないでしょう。国家的事業だということで、国交省も関与していると村田局長はビシッと言われた。単なる営利事業としては見ていないと。だから国家事業として関与していると」