21日閉会した臨時国会。

衆議院本会議場の自民党席に、細野豪志氏の姿がありました。どこか居心地悪そうに、自民党の小渕優子議員と後藤田正純議員の間に座る細野氏。ここに座るようになったことで、「自民党に入った」という実感がわいたといいます。

ただ、「民主党のプリンス」と呼ばれた細野氏が、ここにたどり着くまでの道のりは、平坦なものではありませんでした。

全国から注目された静岡5区

10月衆院選演説
細野豪志氏:「安全保障に万全を期す国家を作りたい。そのために自民党入りが必要だ。ご理解いただけませんか、皆さん(拍手)。政治生命をかけた、最大の決戦である」

今年最大の政治決戦、衆院選で、全国的にも注目された静岡5区の戦い。細野氏は、自民党入りを目指し、無所属・二階派の立場で、自民党岸田派の吉川赳氏と激突しました。

10月衆院選演説
吉川赳氏:「自民党の正統な議席を皆様と共に守り抜くのが、私のこの戦いに課せられた使命。何がなんでも負けられないんです」

元支持者から厳しい声も…

細野氏の変節に、離れていった支持者も…。

細野氏が女性に詰め寄られる
女性)全部裏切られたじゃないですか。私たちがどういう思いでずっと応援してきたと思います?
細野)でも自衛隊は必要ですから。
女性)それはわかりますけど、それはどうでもやりようがあるでしょ。
細野)共産党は自衛隊を認めていない。
女性)共産党の話じゃないんです、あなたの人間性を言っているんです。
細野)安全保障で、共産党と組むのは私はどうしてもできないんです。
女性)いや、だって公明党とは組んでるじゃないですか。公明党と反対のこともやってるじゃないですか。みんな考えが違ってそれをうまく合わせてやっていくのが政治でしょ?
細野)それは私の考えで自分で選んだんです。
女性)そうでしょ、それはあなたの考えでしょ。それが私は裏切られたって言ってるの。もうずーっと応援してきたんだから。

細野氏圧勝も想定外の事態

10月31日
細野氏:「バンザイ、バンザイ、バンザイ」

細野氏は12万7000票あまりを獲得、自民党の吉川氏にダブルスコア以上の大差をつけて圧勝しました。ところが、細野氏にとって想定外の事態が…。

吉川事務所「(驚きのリアクション・拍手)」
吉川氏の比例東海ブロックでの復活当選が決まったのです。細野氏の自民党入党は、再び暗礁に乗り上げたかのように見えました。

党本部迅速対応も県連との溝が…

しかし、党本部の対応は迅速でした。投開票日の5日後…。

11月5日
自民党 遠藤利明選対委員長:「きょう私から静岡県連に、入党決定しましたと報告しましたんで、改めてそのことを(岸田総理に)報告してきました」

Q総理からそれについて何か?

自民党 遠藤利明選対委員長:「いや、ご苦労様と。まあ総理の気持ちを考えればね、いろいろ思いはあるんでしょうけど、そこは組織ですから、ということです」

自民党 県連野崎正蔵幹事長:「県連として入党を了承した、と書くと、静岡県連に入党するのかと勘違いをみんなするので、入党する方針ということは了承した、ということです。そこ、すごく重要なので気を付けて扱っていただきたいですが」

自民党(御殿場市・小山町選出)
和田篤夫県議:「受け入れたくない。もちろんです。気持ち自体を変えろと言っても、それは無理」

一応、「容認」となったが…

根強い反発があった静岡県連への加入も、1カ月後、容認される形になりましたが…。

12月11日
自民党静岡県連 城内実副会長:「5区については、支部長は吉川赳氏だが、細野豪志氏は支部長ではなく、細野豪志『衆議院支部』というのを県連の下に作るということで、静岡県選出国会議員団への参加、および県連大会の出席等については現時点で認められないと」

静岡5区支部長は吉川氏で変わらず、細野氏は新たに設置される「静岡県衆議院支部」の支部長につくといいます。

Q 細野氏の県連入りについてどう受け止めるか?
吉川赳氏:「・・・・・・・」

Q(細野氏は)静岡県衆議院支部長になり、次の選挙に向けてはどの地域で活動する?
城内実氏:「その質問については、ご本人に聞いていただかないとお答えできないと思う」

有権者の意見もさまざま

衆議院の自民党席に、ともに座ることになった細野氏と吉川氏。結局、静岡5区に自民党国会議員が2人いるという状況のまま、決着は、次の衆院選に持ち越されることになりました。静岡5区の有権者は…。

Q自民党の代議士が2人いることについては?
函南町民(女性):「本当のことを言ってもいいですか?吉川氏に入れたんですよ。だからえーと思って」

三島市民(女性):「だって静岡県の人が入れない静岡県連に。やきもちよ、私はそう思う。やっぱり入れるべきだし、なんで意地悪して入れない?あれはやきもち以外にないと思うけどね。政治は与党に入ってないとダメ」

三島市民(男性)「前はやっていたが、鞍替えしたから、(支持を)変えましたけどね。あまり風見鶏みたいにあっちこっちするのは、私は好きじゃなかったのでね」

三島市民(男性)「しょうがないんじゃないのと思います。自民党に入らないと自分の好きなことというか希望、そういうことができないじゃない。彼はやりますよ。いいかげんな男じゃないから」