土砂が大量に流れ込んだ静岡県熱海市の伊豆山港では、先月からイセエビ漁が始まりましたが、未だに被害の爪痕が残っていました。

9月の早朝。
1隻の漁船が伊豆山港から出航しました。

●漁師 金子友一さん
Qとれそうですか
「狙ってはいるけどね」

伊豆山港で20年近く漁師を続けている金子友一さん。
発災から1年と3カ月。
地元名産イセエビが旬を迎えたこの時期に伊豆山に戻ってきました。
伊豆山港には土石流によっておよそ2700立方メートルの土砂が流れ込みました。
そのため、これまでは3キロ以上離れた熱海港での漁を余儀なくされてきました。

●漁師 金子友一さん
「漁場が近くなった分楽だよ。
やっぱり自分たちがいつもやっている港と、そうじゃないところと勝手が違うからね」

戻ってきた自分たちの日常。
慣れ親しんだ漁場での作業に自然と網を引く手も動きます。
この日水揚げされたイセエビはおよそ5キロ。
例年並みの水揚げ量ですが、土砂の影響を懸念しているといいます。

●漁師 金子友一さん
「今まできれいな水で、それなりの水草も生えていた。海藻とか。そういうのも一切ないし」

イセエビが住みかとする海藻類が育っていないため、今後水揚げ量が減る可能性があるのです。
さらにこんな悩みも。

●漁師 金子友一さん
「風評被害が出ないように、採ったらすぐに出すようにしているから。
極端な話、市場としたらこんなに持ってきたよという日もあると思う」

これまでは水揚げしたイセエビをいつでも供給できるように、港のいけすで保管してきました。
しかし、海水が濁った状態で管理が難しくなったことから漁が終わると、すぐに市場へ持っていかなければ
なりません。
土石流災害の影響が続く伊豆山港。
それでも慣れ親しんだ港でこれからも漁を続けます。

●漁師 金子友一さん
「まだ不完全な部分がほぼだけど、港から船を出して漁が出来るというのは喜ばしいこと。
色んな上手くいかない部分とか、そぐわない部分とかあるけど、我が家と一緒で一番良いんじゃないのか な」