土石流の発生から4カ月。「被災地の今」を取材しました。

午前10時28分「黙とう」

「黙とう」ー熱海市伊豆山の土石流災害から4カ月。現場では被災者が最初に消防に通報があった午前10時28分に合わせて犠牲者の死を悼み黙とうを捧げました。3日、集まった5人は全員、自宅が被災し熱海市内の公営住宅や神奈川県湯河原町の仮設住宅への引っ越しを余儀なくされました。

自宅が全壊、湯河原町へ引っ越しした
太田滋さん:「まだ自分の中で、何も家のことも整理ができていない。これからのことも考えていないというような状況です」

原川朋華記者:「熱海市の土石流現場ではきょうも警察による捜索が続いている。ぬかるんでいた地面は完全に渇き、土砂は片づけられ時間の経過がわかる」

真実を知りたい…

土石流災害ではこれまでに26人が死亡、現在も太田和子さんの行方が分かっていません。熱海市によりますと、最大およそ580人が避難所として利用していたホテルは、先月20日に最後の避難者が仮設住宅へ移動し閉鎖されました。地元を失った被災者が求めているのは土石流発生の原因究明です。

自宅が被災、湯河原町へ引っ越しした
田中均さん:「やっぱ友達とか亡くなって、近所の人も仲の良かった人が亡くなってるから、やっぱ悔しいという気持ちからですよね。ホント真実を知りたいだけ。それだけ」

家宅捜査始まる

土石流の起点となった盛り土をめぐっては先週、大きな動きがありました。

林輝彦アナウンサー:「県警の捜査員が段ボールを持って捜索を続けている」

県警は、盛り土の前の土地所有者である神奈川県小田原市の不動産会社元社長の関係先と現在の土地所有者の関係先、およそ20か所を家宅捜索しました。遺族の瀬下雄史さんは、前の所有者を業務上過失致死の疑いで、現在の所有者を重過失致死の疑いで刑事告訴し、熱海警察署が受理しています。弁護士によりますと別の遺族が今月中にも殺人の疑いで追加告訴する方針です。

先月、盛り土に関する公文書を公開した難波副知事は―

静岡県
難波喬司副知事:「現場とは全く異なった虚偽申請の疑いがあるものだと推定されます。これは意図的だと思う。間違ったというのであればレベルが違いすぎるので」

上限8500立方メートルの土地に3万6000立方メートルの「盛り土」

盛り土を造成した前の所有者が、熱海市に虚偽の申請書を提出した疑いがあることが分かりました。県が伊豆山の地形図から算出したデータでは、土石流の起点の土地には最大でおよそ8500立方メートルの土しか盛り土をすることはできません。しかし、前の所有者はこれを大幅に超える3万6000立方メートルの盛り土を処分できると申請していました。

2010年には熱海市が前の所有者に「逢初川水域の住民の生命と財産に危機を及ぼす可能性がある」と土砂搬入の中止要請も出していました。今後、盛り土の造成による土石流の発生を現在と前の所有者が予見できたかどうかが警察の捜査の焦点となります。