ふわふわの卵がのったオムライス。

洋食店に欠かせないたまご

こちらは、静岡市内の洋食店「レストランAoki」

お店の「オムライス」は、県外にもファンがいるほどの人気メニューです。

ところが今…

レストラン アオキ 青木道夫オーナー:
「夏ぐらいからですかね。やっぱり今どうしても自分たちの利益率が減っても値上げしないように努力しているんですけど」

オーナーが頭を悩ませているのは「卵の値上げ」

オムライスはもちろんのこと、ハンバーグの具材やスイーツまで洋食店にはかかせない重要な存在です。

レストラン アオキ 青木道夫オーナー:
「だいたい10パック1800円ぐらいだったのが、今は2000円近くなってきている。自分たちも厳しいけどやはりお客さんの生活も大変だしそれを考えるとすぐには値上げできない」

オムライスには卵を3つ使用し、店舗で提供するだけでなく、テイクアウトでも人気メニュー。

10パックでおよそ200円の値上がりは、じりじりとお店の経営を圧迫します。

今は値段を据え置き、卵の個数などを減らす実質値上げも考えていないといいます。

レストラン アオキ 青木道夫オーナー:
「自分たちは料理人なので質は落としたくないので、今まで通りで出すようにしている。あとは仕入れのほうで努力して少しでも1円でも安ければそこへ仕入れをするなど努力している」

スーパーではギリギリの価格で販売

食卓に欠かせない食材と言っても過言ではないタマゴ。

JA全農たまごがまとめた統計によると、東京市場での出荷価格は去年11月にはMサイズ1キロあたり207円でしたが今月は257円となっています。

スーパーでは…。

栗田麻理アナウンサー:
「静岡市内のスーパーに来ています。こちらには卵10個入りが190円で売られていますが、去年の同じ時期と比べて30円ほど値上がりしているということです」

卵は安定的に生産ができ、販売価格が一定で特売も多いことから「物価の優等生」とも言われています。

だからこそ、値上げには買い物客もとまどっているようです。

買い物客 70代:
「うーん、多少上がっていると思うが、年金暮らしだと大変上がってくると何でも」

買い物客 40代:
「毎日来ているが、(卵の価格が)上がっている。毎日2、3個は使うので、それでも卵の量を減らすしかない」

Q,卵に限らずかなりの商品が値上がりしているが家計にとっては?
「きついですね。給料が上がっているわけではないので、物だけが上がっていくのでつらい」

値上がり傾向の「卵」ですが、スーパーではギリギリの価格で販売しているといいます。

田子重 西中原店 増田克己店長:
「仕入れた金額に対して、それほど高い金額を付けられないから、売価も同じぐらいで販売している」

Q.売り上げも厳しい?
「売り上げというか利益が厳しい」

ニワトリのエサとなるトウモロコシも急激に上昇

静岡市葵区の「清水養鶏場」

およそ1万4500羽のニワトリを飼育し、1日におよそ1万3000個の卵を生産しています。

栗田アナ:かなり大きな建物ですね。
清水取締役:そうですね、ここでエサを作っている所。倉庫と製造の所。
栗田アナ:ここでエサが作られているんですね。
清水取締役:ドラム式の大きなかくはんしている所が、大きなミキサーでミキサーの中に原料を投入してエサを作っている」

ニワトリのエサは穀物など、およそ20種類を配合しています。そのうち6割以上を占めるのがトウモロコシ。主な輸入先はアメリカです。

ウクライナ情勢の悪化により、トウモロコシの仕入れ値が今年に入り急激に上昇。

2年ほど前はトウモロコシ1トン当たり3万5000円ほどでしたが、今では2倍の7万円に。

去年は月350万円ほどだったエサ代が、今年は月500万円になってしまいました。

清水養鶏場 清水茂 取締役:
「今年のウクライナ侵攻からどんどんトウモロコシの値段が上がって今一番ピーク。今までの利益は1年に何百万利益が出ればいいというところが、経費で1000万円を超えると絶対にやっていけない状況に陥っている」

さらに鶏舎は24時間稼働していることから、エサ代だけではなく、電気代もかかり、経営はかなり厳しい状況だといいます。

清水養鶏場 清水茂 取締役:
「日本全体でみれば、そういうエサが値上がりしたということは、養鶏農家が大変な思いをしている。養鶏農家が対策を出来る人はいいが、できなかったらやっぱり辞めざるを得ない。赤字を背負って倒産や家を取られてしまうことになるなら早く辞めた方が負債が少なくていいと考えるので、辞めている人も出ている」

自慢の卵は、市内のスーパーなどに卸したり、自社の直売所でも販売しています。

直売所では「卵」をはじめ、プリンなどの加工品を今年5月から一律10円値上げしました。

一方、スーパーに卸す分については・・・

清水養鶏場 清水茂 取締役:
「直に取引しているところは、こちらの希望に沿った形で直売店では10円だが、業務用(スーパー)は今まで安く納めていたところは20円30円と差が出ているが、そこら辺のところで、業務用を値上げさせてもらっている」

“価格の優等生”のイメージが定着している卵は生産者側も大幅な値上げに踏み切れないのが実情だといいます。

清水養鶏場 清水茂 取締役:
「本来だったら50円ぐらい上げたいが、一気に50円上げてお客さんに嫌われてしまうのでないかと心配しながら、いろんな食品が値上がりしている中で、ちょっとでも安い物を探そうという動きもあるのを見ると、上げればいいというわけでもない。我慢しなければならないところは我慢して様子を見て1年2年経った時に、このままでやっていけるかどうかを考えながら先のことを決めていきたい」