静岡市内に3店舗を構える「hug coffee」。おしゃれな内装と落ち着いた雰囲気が特徴で、コーヒーやカフェラテなどおよそ50種類のドリンクを取り揃えています。

コーヒーかすは3店舗で年間5トン!

hugcoffee和田健さん「こちらはコーヒーの抽出が終わった『コーヒーかす』と呼ばれるものになります ここに捨てるんですけど一回40gくらいのコーヒーかすが出ます」

こちらの店では1カ月に出る「コーヒーかす」は100キロほど。3店舗合わせると多いときで、400キロ〜500キロにも…。

西尾梓アナ「大体どのくらいのゴミが今まで出ていたんですか?」

hugcoffee和田さん「コーヒーかすでいうと(3店舗合わせて)年間5トン」

西尾梓アナ「それが今は?」

hugcoffee和田さん「一応ゼロになっています。」

「5トン」のゴミが「ゼロ」に…。捨てられていた「コーヒーかす」から生まれ変わったのが、こちらの「たい肥」です。

西尾梓アナ「そもそもどうして『コーヒーかす』をたい肥にしようと思ったんですか?」

hugcoffee和田さん「ずっと捨てているだけだったので、ものとしても捨てるのにお金がかかるのでお金ももったいないとずっと思っていて協力してくれる団体さんが見つかったというところが実用化に至った大きなポイントです」

コーヒーかすをたい肥に…必要なのは「発酵」半年から1年でたい肥に

「コーヒーかす」から「たい肥」を作っているのが、静岡市葵区にある生活介護事業所「ワークショップり〜ふ」。農作業などを通じて障害のある人に働く場を提供しています。

「『コーヒーかす』で『たい肥』を作ってほしい」とhugcoffeeから提案があったのは2年前。

「ワークショップり〜ふ」 竹田良治さん「ハグコーヒーさんと言えばコーヒーなのでなにかコーヒーについてやってみたいんだなという好奇心はすごく感じました。自分たちとしては今まで雑草でたい肥を作っていたのでどんなものでもたい肥にできるという自信があったのでぜひやってみたいなと感じました」

「コーヒーかす」を「たい肥」にするために必要なのが「発酵」です。

西尾梓アナ「こちらは?」

竹田さん「発酵が促進されるようにキノコを育てる木くずを粉々にしたものをまいています」

西尾梓アナ「これを入れることによってたい肥作りにいいことってあるんですか?」

竹田さん「コーヒーだけだとなかなか発酵が始まらないんですけどももともと微生物がたくさん住んでいるキノコの菌床を混ぜることによってコーヒーの中の微生物も活性化される」

微生物の力を借りて発酵させること、半年から一年。たい肥が完成します。

西尾梓アナ「お〜!湿り気がありますね。入れたて混ぜたての時はサラサラしていたんですけどこちらの方が一つ一つの粒が大きくなっていますね」「うん、先ほどは入れたて混ぜたての時はかなりコーヒーの香り感じたんですけどこちらはほとんどコーヒーの香りも感じないですし発酵したような香りも感じないですね、ほとんど匂いがない状態です」

竹田さん「しっかりと時間をかけて寝かせることによって匂いとか雑菌というものがなくなっています」

「すごいじゃんね」コーヒーからのたい肥は農園でも好評

こちらは、静岡市で飲食店を営む山口敏康さんの農園。店で使う野菜などを育てています。一年ほど前から、「コーヒーかす」から出来た「たい肥」を使っています。

西尾梓アナ「Qコーヒーかすから作られたたい肥を使って作ったということですけど出来はいかがですか?」

山口さん「ものすごくいい クウシンサイはこれで8年くらいやっているけどさ、いい出来だよね、その中でも」

西尾梓アナ「Qどういったところがいい出来と感じるんですか?」

山口さん「刈っていて音がいい、音がすごくいい」「捨てるものがさ、形を変えて作物になるんじゃさ、すごいじゃんね。土も肥えて、いい作物ができればさ、こんないいことないよね」

コーヒーかすの可能性を大学の研究で探る…

大学でも「コーヒーかす」を使った研究が進められています。もともと「コーヒーかす」が微生物に与える影響を研究していた県立大学の原清敬准教授。コーヒーかすの可能性についてー

静岡県立大学 原清敬 准教授「世界で飲まれている飲料ですので世界中から排出されるという特徴があります。我々一方で日本茶の同様の利用方法を考えていますけれどもコーヒーかすはより世界で使われているという事でそういう視点でメリットを感じます。廃棄を減らすことはもちろんですね、それを使ってさらに植物が育てば食の循環といいますか、単に廃棄物を減らすだけでなくてそれをプラスに変えていけるというそういったことも目指しています」

現在は、たい肥の機能性をより高めるための研究を進めています

静岡県立大学 原清敬 准教授「今回のものは単なるたい肥だけではなくてそこからさらに微生物の力を借りて栄養成分を足すというある意味サプリメントのような形で足せることを目指している。コーヒー業界全体に波及するような技術になればいいなという風に思っています」

廃棄物の地産地消 「静岡市SDGs連携アワード」サスティナビリティ部門賞を受賞

「hug coffee」は昨年度、この取り組みが評価され「静岡市SDGs連携アワード」サスティナビリティ部門賞を受賞しました。

西尾梓アナ「地域の団体と協力して一つのものを作り上げるという廃棄物の地産地消といいますか、そのあたりはいかがでしょう?」

hugcoffee和田さん「「静岡からでたゴミをたい肥にしてそのたい肥を使ってまた地元で育ててその野菜を買ってもらうという僕ら勝手にこれがサスティナブルかなと思っているのでそういう循環が一つできているのかなと思っています」