実力拮抗の夏

今年は例年以上に上位校の実力が拮抗している印象です。

まず、第1シードの浜松開誠館は春の東海大会初優勝を飾って上り調子。持ち味は何といっても攻撃力でしょう。昨年10月までコーチを務めた中村紀洋氏(現中日打撃コーチ)仕込みのフルスイング打線。下位の打者でもスタンドに放り込めるパワーを持っています。そこに、この春、安定感が増したのが投手陣。左腕の山口祥吾と廣﨑漣、最速143キロの静内龍之介も控えています。遊撃手・吉松礼翔を中心に守備力も高く、スキがなくなっています。

第2シードに入るのが昨夏の優勝校・静岡です。三塁手の山岸廉尊、遊撃手の山本和輝を中心に経験が豊富。昨年の髙須大雅(現明治大)のような絶対的エースがいないだけに、どこまで打線でカバーできるかがカギとなりそうです。

第3シードの掛川東は甲子園初出場を狙います。春の県大会では駿河総合、加藤学園、静清といった強豪を撃破。大胆さと緻密さのバランスがいいです。

今春のセンバツ出場校・日大三島も優勝候補です。昨年秋は前評判こそ高くなかったものの、試合を重ねるごとに、名将・永田裕治監督の目指す「全員野球」が浸透していきました。夏に照準を絞ってきているチームなだけに、春よりもワンランクアップした戦いを見せてくれそうです。

その他、シード校で注目したいのが御殿場西です。左腕・藁科優斗、捕手・久松凌大のバッテリーが充実。打線も1番打者の小城佑太を筆頭に勢いがあります。森下知幸監督は夏の戦い方を熟知しているだけに、上手く仕上げてくるでしょう。

また、春ベスト4に食い込んだ静清、個々の能力が高い浜松工、投打のバランスがいい常葉大橘もシード校に名を連ねています。

ノーシード勢がどのブロックへ!?

今年はノーシードの中でも実力のあるチームが潜んでいます。

なかでも常葉大菊川は一つ抜けた存在です。最速148キロ右腕・安西叶翔らを擁する投手陣は全国レベル。一気に頂点に駆け上がる可能性は十分にあると見ています。

浜松西の戦いぶりも楽しみです。昨秋はベスト4と躍進し、今春は静岡に1点差負け。1981年以来、41年ぶりの甲子園に手の届く位置まできています。

さらに、加藤学園、東海大静岡翔洋、駿河総合、掛川西、聖隷クリストファーも虎視眈々と上位を伺い、まさに戦国時代です。

組み合わせ抽選会は今月25日に行われます。上記のノーシード勢がどこのブロックに入るのかが大会を占う焦点となると思います。

著者 栗山司
くりやま・つかさ 1977年、静岡県生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌『野球小僧』の編集者を経てフリーに。2012年に地元・静岡に根差した野球雑誌『静岡高校野球』を自費出版で立ち上げ、年2回発行。ブログ『静岡野球スカウティングレポート』([http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/])でも県内の野球情報を発信する。
「静岡高校野球2022夏直前号」は6/22発売。お求めは静岡県内書店にて。