どのようにファイナルゾーンを攻略するのか(ゾーン3のセットオフェンス)

「きっかけのアクション」とは、相手と「駆け引き」するときに使う1つのプレー、1つのアクションである。

「駆け引き」とは、様々なプレーパターンを暗記して、それをただ実行するのではなく、プレーの概念や考え方、戦術に従って、1つのプレー、1つのアクションから相手のリアクションを引き出し、次のプレーを選択することである。そのバリエーションは多いほど良い。

例えば、Aという「きっかけのアクション」が相手に読まれたからといって、次はB、それがダメならCというようにパターンに頼る方法ではなく、Aという「きっかけのアクション」が通用しなくても、そこから即興的に生まれる派生のアクションを実行する。Aという1つの「きっかけのアクション」から枝分かれするように様々なプレーオプションが生まれるのが「駆け引き」である。

ゾーン3で行われる「セットオフェンス」を見る時は、2対2の状況に注目する。ボール保持者もしくはボール保持者の近くにいるチームメートのスペースを作る動きが複雑であっても最終的には2対2の状況になる。2対2の状況をいかにして2対1するのか。その方法論がダイヤモンド・オフェンスである。「きっかけのアクション」から、2対2の関係性を見ることができればダイヤモンド・オフェンスがより理解でき、サッカーが楽しくなる。

2対2の状況を「きっかけのアクション」からオーバーロード(2対1)を作り出し、相手がどのようなリアクションをするのか、相手のプレーを読み、次のプレーを即興的に選択することでゴールチャンスを創造する。

これから紹介するダイヤモンド・オフェンスのシリーズは、パターンではなくプレーのオプションである。最初のプレーの入り方をある程度決めておいて、その後はフリープレーで行う。プレーのパターンを覚えるのではなく、プレーの原則を理解することで、即興的にその状況に適したプレーが生まれる。

出典:『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』著/坂本圭