指先から出る水分と皮脂が付着したもの

指紋とは、手の指の先端にある、盛り上がった線状部分と、へこんだ部分が形づくっている紋様です。その紋様を形づくっているのは、へこんだ溝の部分ではなく、隆起した線「隆線」です。

隆線には無数の穴があり、これが真皮の汗腺から絶えず分泌されて出てくる汗の穴、汗口(汗孔)です。手には皮脂などの分泌物も付着しており、指先が物に触れると、スタンプのように指紋となって残るのです。

皮脂を分泌する脂腺は、毛穴があるところしかないため、指先からは汗しか分泌されません。汗だけでも指紋は付着しますが、水分は蒸発すると消えてしまいます。指紋として残るのは、顔や腕などから出た皮脂や分泌物を知らない間に触って、指についてしまったものなのです。

また、指紋の残り方には違いがあります。大きく2種類に分けられ、肉眼で確認できる「顕在指紋」と、ほとんど肉眼では見えないものの科学的な検出方法によって肉眼で確認できる「潜在指紋」があります。

顕在指紋は、血液やインクなどが付着した手で物に触った場合や、粘土のように形が簡単に変化するものに触ったとき、また、たまった埃ほこりに指を置いたときなどに残る指紋です。最初から肉眼で確認できるため、カメラで写真を撮るなどして採取します。

潜在指紋は、ガラス・金属・プラスチックや、紙・ペットボトル・携帯電話などを触ったときに肉眼では確認できない指紋として残るもので、犯罪現場ではほとんどがこの潜在指紋です。

見えない指紋をいかに採取するかが捜査の鍵を握ります。

出典:『図解 科学捜査』監修/山崎昭