リンパ内の免疫細胞が体内をパトロール

体の中を流れているのは、血液だけではありません。私たちの体内には血管と同じように「リンパ管」が張り巡らされ、その中を「リンパ液」が流れています。

このリンパ液は、もともと血液中の血しょうが浸み出したものです。血液は、体の末端で一部が毛細血管から出て細胞に酸素や栄養を届けています。そのほとんどは再び毛細血管に戻りますが、1割ほどは毛細リンパ管に入り、合流を繰り返しながら最後は太い「胸管」となって、鎖骨下静脈へと流れ込みます。リンパ管が合流する部分は、空豆のような形をした節となり「リンパ節」と呼ばれます。

リンパ節は全身に800個ほどありますが、首やその周辺には約300個のリンパ節が集中し、次に鼠部、腋窩部に多く分布しています。なお、リンパ管には弁があり、この弁がリンパ液の逆流を防いでいます。

臓のようなポンプ機能のないリンパ液の流れは血液に比べ非常にゆるやかで、1時間に流れる量は約100ミリリットルといわれています。

リンパの中に存在する細胞を免疫細胞といい、病原体や異物を撃退する免疫機能と体内の老廃物の回収・排泄などの役割をします。

免疫細胞には病原体を食べたりして広がるのを防ぐ、好中球や「マクロファージ」といった「貪食細胞」や白血球の一種であるリンパ球があります。

リンパ球には、細菌やウイルスなどに感染した細胞を攻撃するNK細胞、抗体をつくるB細胞、一度侵入してきた病原体を記憶して排除するT細胞のヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、キラーT細胞などが存在し、リンパ液と血液中を行き来しています。

リンパ節はリンパ液で運ばれてきた病原体や老廃物をろ過して取り除く、〝関所〟のような役目を果たしながら私たちの体を守っているのです。

出典:『図解 人体の不思議』監修/荻野剛志