競技特性によってトレーニングは変えていく

スポーツ選手のトレーニングは、どれも同じことをすれば良いというわけではありません。競技特性によって、やるべき内容は変えていく必要があります。例えば、野球とサッカー、陸上、水泳では、運動内容が違うため、使う筋肉はまったく異なります。野球の中でもピッチャーとバッターでも違いますし、ピッチャーでも、先発投手と中継ぎ、抑えの役割ごとに、トレーニングを変えていかなければならないのです。 なぜ変える必要があるのか。それは競技時間が関係しています。

ピッチャーは、5秒に1回の運動を繰り返します。バッターは1秒ほどのスイングひと振りなので、一瞬の運動の繰り返しです。ピッチャーでも先発投手は、長めのイニングを投げきれるように、回復できる能力を高めていくことがポイントになります。やはり、常に100%の力で投げられないといけませんし、パフォーマンスを落とさないためにも、やるべきことはたくさんあります。

もし、シーズンの途中で先発投手から中継ぎに変更になったとしたら、トレーニングを変えて短期間で調整できるように工夫します。先発投手は回復時間が大事なので、筋肉が早く回復するための筋持久力を高めることを意識しますが、中継ぎは、20〜30球を全力で投げきることのできる運動を入れていきます。5秒に1投球だとして、20球なら、単純計算して100秒です。ですので、100秒間のサーキットトレーニングを取り入れたりしています。

競技特性でトレーニングは変えますが、最近は体を大きくするトレーニングより機能性重視のトレーニングが多くなってきています。機能性とは、体を動かしやすくしたり、連動動作がスムーズになるようにすることです。これらのトレーニングを行う際に「呼吸」は必須となります。そして、体幹まわりの筋肉を柔軟にしておくことで、連動動作が可能になります。本書で紹介している「呼吸」を組み合わせたトレーニングは、プロの中でも当たり前に実践している最先端のトレーニングです。

投球動作と呼吸を連動させたトレーニング

①両手を広げてリラックス
立ち姿勢で両手を広げてリラックスする

②息を吸いながら片足と両手を引き上げる
鼻から息を吸って片足を引き上げると同時に、両手を上に向けていく。横隔膜を下げて胸郭を広げる

②息を吐きながらお尻を前に出して顔を下に向ける
口から息を吐きながら、おへそを覗き込むように顔を下に向ける。お腹を縮めてお尻を前に出していく

出典:『一流が実践する人生を変える呼吸法』著/宮﨑裕樹