小さな音で慣らしてやろう

ふだんはとてもおとなしくていい子なのに、散歩中に車のクラクションが聞こえたとたんに暴れ出したり、うずくまって動かなくなってしまう犬がいます。こうなった理由は、条件反射と考えられます。

車にひかれたことがあったり、ひかれそうになった犬は、そのときに聞いたクラクションと、体の痛みや恐怖を関連づけて、「プーッ」という音を聞いた途端に体が反応してしまうのです。痛みや恐怖体験が音と直接関係ない場合もあります。

たとえば、ひどく叱られたときに、飼い主がちょうど掃除機をかけていたとすると、掃除機の音と叱られたという記憶が関連づけられ、掃除機の音にひどくおびえることがあります。また、掃除機の音そのものが怖い犬も多いようです。

こんなときは、その音に慣れさせることが大切です。犬がいやがる音をICレコーダーなどに録ってきて、寝床でリラックスしているときなどに小さい音で聞かせます。そしてボリュームを大きくしていき、その音に慣らします。

嫌いな音を聞かせながらある程度その音に慣れてきたら大好きなおやつを与え、「この音が聞こえると、いいことが起きるんだ」と教え込むのもいい方法です。散歩の途中でクラクションが聞こえたとき、掃除機をかけるときにおやつを与えるのも有効です。

ただし、動かなくなった犬に対し「大丈夫だよ。私がついているからね」と声をかけたり覆いかぶさるようにして保護する姿勢をとるのは逆効果になる場合があります。

声かけをすると恐怖感が倍増し、悪いほうへ条件付けされ、いつまでもその音に慣れなくなってしまいます。

出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡