現在は僧侶の認定制度のもとで僧侶になる

一般の人にとって僧侶(そうりょ)と接する機会は、葬儀(そうぎ)や法事(ほうじ)などの儀式のときぐらいです。しかし僧侶は、例えば禅宗の寺院では、修行を基本に活動しています。もっぱら鍛錬(たんれん)に励む毎日を送っています。

また、上座部仏教が浸透している東南アジアでは、男性出家僧のみが居住する寺院が各地域に組織されています。

日本では、どのようにすれば僧侶になれるのでしょうか。ほとんどの宗派が、僧侶の認定制度をとっていて、以下のような手続きを経て僧侶になることができます。

まず、出家するための儀式である「得度式(とくどしき)」を行ない、僧侶となる資格を得ます。これによって僧籍(そうせき)を登録すれば各宗派への所属が認められ、活動することが可能になるのです。

仏教が日本に伝来した当初は誰でも僧侶になれました。律令時代(りつりょうじだい)は納税逃れのために僧侶となる不届き者が多く、受戒制度(前項を参照)が整備されて現代のような形になったといいます。

仏教の草創期は、比丘(びく)(出家した男性)、比丘尼(びくに)(出家した女性信者)、優婆塞(うばそく)(在家の男性信者)、優婆夷(うばい)(在家の女性信者)の四つのグループによって教団が構成されていました。

その後、徐々に在家の信者が経済的な支援を行なうようになり、出家者は儀式や布教を専門に行なうようになりました。これが、聖職者的な僧侶の始まりとされています。

ちなみに、仏教の聖職者の呼びかたは、僧・僧侶・僧尼(そうに)・僧伽(そうぎゃ)などいろいろありますが、語源は*サンスクリット語の「サンガ」です。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の宗教』
監修:星川啓慈 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1956年生まれ。1984年、筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程単位取得退学。1990年、日本宗教学会賞受賞。現在、大正大学文学部教授。博士(文学)。専門は宗教学・宗教哲学。主な著書に、『言語ゲームとしての宗教』(勁草書房、1997年)、『宗教と〈他〉なるもの』(春秋社、2011年)、『宗教哲学論考』(明石書店、2017年)、『増補 宗教者ウィトゲンシュタイン』(法藏館、2020年)など。