微生物とは、顕微鏡でしか見えない生き物だ

微生物とは、その名前の通り、とても小さい(=微)生物のことを指しています。ですので、学術的にこれこれの生物は微生物に分類されると決められているわけではありません。顕微鏡で拡大しなければよく見えないような小さい生物を一般的に指し示す言葉です。このなかには、細菌、酵母(こうぼ)、カビやキノコなどの菌類の一部、原生動物などが含まれています。場合によっては、コロナウイルスのようなウイルスも含まれる場合があります。

細菌の大きさはおおよそ1マイクロメートル(㎛)くらいです。1㎛とは、1㎜の1000分の1です。細菌が一列に1000個集まると、ようやく1㎜になります。丸い形をしている球菌や飲み薬のカプセルのような形をしている桿菌(かんきん)などが代表的ですが、それ以外にネジのような形をしたものや、プロペラのような形をしたものもいます。乳酸菌や納豆菌などが私たちの暮らしを支えてくれる細菌としてよく知られています。

酵母は、パンやアルコール飲料をつくるので有名ですが、これ以外にも多くの種類の酵母が自然界には存在しています。酵母という言葉は学術的な分類では用いられません。学術的には、単細胞の菌類を言います。その大きさは、5〜10㎛くらいですので、細菌よりかなり巨大ですが、10個以上並ばないと1㎜になりません。球形や楕円形(だえんけい)をしているものがよく見られます。

カビやキノコのような菌類は、ふだんは菌糸と呼ばれる細長い細胞を植物のように伸ばして成長します。長くなると顕微鏡がなくても見ることができますが、その太さは、数㎛から数百㎛までさまざまです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 微生物の話』
著者:山形洋平  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1961年生まれ。東京農工大学農学部農芸化学科卒業。東北大学大学院農学研究科農芸化学専攻(博士課程後期)修了。東北大学農学部助手、東京農工大学共生科学研究院准教授、東京農工大学大学院農学研究院准教授を経て、現在は東京農工大学大学院農学研究院教授。農学博士。趣味は、醗酵食品の食べ歩きと醸造飲料の飲み歩き。